“残念なジャニーズ”払拭なるか 1月期連ドラ主演攻勢の吉凶

2021年1月5日

日刊ゲンダイDIGITAL

 1年前の正月はTBSが「半沢直樹」を1クールも前から盛り上げていた。コロナ禍の影響で放送開始はズレ込んだが、結果的には昨年の連ドラでぶっちぎりの高視聴率を獲得。

「コロナ禍による遅れもあってどうなるか……と業界全体で気を揉んでいたのですが、コロナ禍すら味方にした稼ぎっぷりでしたね」(広告代理店関係者)

 続く昨年秋クールでは「相棒」「科捜研の女」「七人の秘書」のテレビ朝日が安定した視聴率を稼ぐ中、他局は苦戦。フジテレビ月9の「監察医 朝顔」、TBS日9の「危険なビーナス」以外は平均で1ケタにとどまった。

 では、今年1月スタートの連ドラは、どんな傾向なのか。

「今期はジャニーズ勢が目立つように思います」とはテレビ誌記者。

「オー!マイ・ボス!恋は別冊で」(TBS系火曜夜10時)の玉森裕太(30)、「知ってるワイフ」(フジ系木曜夜10時)の大倉忠義(35)、「俺の家の話」(TBS系金曜夜10時)の長瀬智也(42=3月に退所)、「レッドアイズ 監視捜査班」(日本テレビ系土曜夜10時)の亀梨和也(34)と松村北斗(25)と目白押しだ。すでにジャニーズではないが、元SMAPの香取慎吾(43)も「アノニマス~警視庁“指殺人”対策室~」(テレビ東京系月曜夜10時)で民放ドラマ5年ぶりの主演。

「ネット上に意見を書き込む習慣のある層には、“アンチジャニーズ”が一定数いるのは事実。ですが、ドラマ自体の面白さで、そのアンチ勢さえ引き込むような作品が出てほしいですね」と、テレビコラムニストの亀井徳明氏がこう続ける。

「例えば『俺の家の話』の長瀬さんは、“伝説的作品”ともいわれる『池袋ウエストゲートパーク』(2000年)以来、4度目となる宮藤官九郎氏の脚本との組み合わせ。“能の名家の長男でプロレスラー”というブッ飛んだ設定も、“クドカン×長瀬×磯山晶P”の座組ならワクワク感しかありません」

 また、亀井氏は「『オー!マイ・ボス!』の玉森さんにも注目している」とこう言う。

「同じ火曜ドラマだった『恋はつづくよどこまでも』のスタッフが上白石萌音さんをヒロインに迎えて送るラブコメ。玉森さんは、『恋つづ』のお相手だった佐藤健さんと比較されてしまうハンディキャップがあります。この枠でヒロインの相手役にジャニーズ勢を起用するのは、18年4月期の『花のち晴れ~花男Next Season~』以来。それがこの枠の支持層にどう影響するのか分かりませんが、玉森さんにはアンチの声も吹き飛ばすような“キュン芸”を期待します」 嵐の活動休止のほか、残念な話題が多かった昨年のジャニーズ勢。地上波GP(ゴールデン・プライム)帯の連ドラに多数出演することで、今年の新たなスタートダッシュとなるか。