2020年11月2日
週刊女性PRIME
10月24日の夜、プロ野球『ヤクルト』対『中日』の試合が行われていた神宮球場に、花火の煙と大量の風船が“襲来”した─。
「近くにある国立競技場で、11月3日に配信される『嵐』のコンサート『アラフェス』の事前収録が行われていたんです。収録日については“極秘”で、もちろん無観客で行っていたのですが、風船には『アラフェス』のロゴが入っていました。野球を応援しに来ていた観客は予定外の“演出”に盛り上がってはいましたが、試合が2度も中断されたので、選手たちにとっては迷惑だったのでは」(スポーツ紙記者)
そもそも『アラフェス』とは、ファンが嵐の好きな曲を投票し、それをもとにセットリストが決定される“ファン感謝祭”のようなコンサートイベント。しかし、今回の“ひと悶着”を受けて、その当日にジャニーズ事務所は謝罪文を発表していた。
「謝罪文だけではなく、翌日には関係者が神宮球場を訪れたそうです。嵐のメンバー全員の直筆サイン色紙や、大量の洋菓子を手渡したとか」(前出・スポーツ紙記者)
球場幹部は収録を知っていた
極秘収録ということで、関係者も寝耳に水だったそう。
「まったく聞いていなかったので、花火が上がったときはビックリ。その直後に“まだ何かあるんですか?”と上司に確認すると“風船が飛ばされる予定だ”と言われました。球場の幹部たちだけはライブ収録のことを知ったうえで秘密にしていたのかと」(神宮球場スタッフ)
準備は厳戒態勢で進められていたらしい。
「事前連絡はなかったのですが、1週間前くらいから『国立』の塀の中に機材がたくさん積まれていたので何かあるな、と。当日は警備員が配置され、黒い幕で競技場の中が見えないようになっていました」(近くの飲食店店員)
万全を期していたが、情報は漏れてしまったようだ。
「24日の夜、『国立』近くのホテルで食事していると、隣の席に嵐ファンらしき女性2人組が座っていたんです。食事を終えて帰ろうとしたときに少し話しましたが“嵐のライブに合わせて時間をつぶしていて……”と言っていました」(ホテルに宿泊した女性)
実は、この日の前にも収録は進められていた。
「『アラフェス』は10月中旬と24日の2日間に分けて収録されています。事前収録だと何度も録り直せるので、納得がいくまで時間をかけて取り組んだのでしょう」(レコード会社関係者)
3時間ほどのライブ配信のために2日間を費やしたのだ。特別な思いがあったのだろう。
「2020年は、嵐にとって“もどかしい1年”になってしまいました。東京五輪が開催されず、北京やアメリカで行うはずだった公演も中止に。“ラストイヤーは国内外のファンに向けて感謝を伝えたい”という思いが強かったので、メンバーたちは落胆していました。当初は今年5月に行われる予定だった『アラフェス』も延期に。最終的に“無観客ライブの事後配信”という形になり、5人は開催できる喜びを噛みしめていましたよ」(制作会社関係者)
今回のライブについて、『Netflix』で配信中の『ARASHI’s Diary―Voyage―』の中で、松本潤は次のように意気込みを語っている。
《どれだけ魂込めるかってことなんじゃないかな。本当はそこにみんながいて、っていうのが今まで当たり前だったけど、その当たり前が当たり前じゃなくなっている今、それをみんなにどう届けるか……、5人で》
しかし、今回の収録で起きてしまったトラブルで、松潤には厳しい声も。
「せめて松潤はプロ野球の試合を中断させることになってしまった事情を説明すべきだと言う人もいます。彼はライブ演出の責任者的存在ですから」(前出・スポーツ紙記者)
コンサートは夢の空間
2000年ごろから、嵐のライブ演出は松潤が手がけている。2012年の雑誌のインタビューでは、演出に懸ける思いをこう語っていた。
《コンサートはさ、自分にとっても、嵐にとっても、夢の空間なんだよね。(中略)コンサートではエンターテイメントの力をすごく感じる。だからこそ、出てる側の僕らも力をもらえたり、元気になったりするんだと思います》
観客を楽しませるためには、あらゆる努力を惜しまない。今回は派手な演出がアダになってしまったが、松潤は多くの斬新なアイデアでライブを盛り上げてきた。
「逆さづりで地上30mの空中を歩く『MJウォーク』という演出には、度肝を抜かれましたね。ファンの近くまで行こうとする演出も印象的です。今では多くのアーティストのライブで目にする『ムービングステージ』ですが、日本で先駆けて使用されたのは2005年の嵐のコンサートで、取り入れたのは松潤です。スタンドの観客のためにトロッコに乗って近くまで行ったり、ドームでは2階席より上の観客のために気球で登場するんです」(舞台演出家)
雑誌インタビューでは《いつも意識してるのは、いちばん上のお客さんに届くようにっていう部分なんだよね。遠い席にいて届かなかったら、つまらないでしょ?》とも語っていた松潤。彼の演出は、常に観客目線だ。
アラフェス以外のイベントも
「海外でのコンサートでヘリコプターを使ったこともありましたし、水の中から登場し
たことも。すべて松潤が手がけているので、メンバーからは“嵐のアイデアマン”と呼ばれています。絶大な信頼がありますね。ほかのジャニーズグループのライブ演出を手がけることもありますよ。“松本クンから演出を学びたい”という後輩も増えています」(前出・舞台演出家)
『アラフェス』が配信される11月3日は、ファンにとっても大切な“嵐の日”。1999年に嵐がデビューした記念の日だ。松潤は、21年間応援し続けてくれたファンのために、特別なイベントを考えていたという─。
「もし、5月に予定どおり『アラフェス』が行われていた場合、11月3日に別のイベントが行われる可能性がありました。昨年末、松本さんは“ラストイヤーのデビュー記念日は、これまでのライブ映像をまとめたコンサート映画のような作品を全国の劇場で一斉に公開できたらいいよね!”と、周囲にアツく語っていたんです。21年間の“集大成ライブ”として、感謝の気持ちを込めたスペシャルプランで、ファンを驚かせたかったのでしょう」(前出・レコード会社関係者)
アクシデントはあったが松潤の思いは遠く離れたファンにも届くはず─。