ジャニーズが直面する“金属疲労”とダブつくデビュー予備軍

2020年3月3日

日刊ゲンダイDIGITAL

ジャニーズ事務所が入る東京・港区赤坂の「SME乃木坂ビル」

 中居正広(47)に続いて、長瀬智也(41)の退所説も流れるジャニーズ事務所。功労者が相次いで事務所を去るという状況にファンならずとも寂しさは募るばかりだ。だが、「それもやむなし」というのはジャニーズ事情に詳しい関係者である。こう続ける。

「TOKIOには『ザ!鉄腕!DASH!!』(日本テレビ系)というレギュラーがありますけど、それ以外は開店休業に近く、ライブをやろうにも大きな会場では満員にならない。山口達也の不祥事の影響もありますが、ファン離れは深刻で昨年はメジャーデビュー25周年のメモリアルイヤーにもかかわらず記念イベントはなし。でもまあ、これはジャニーズアイドルの構造的な問題でもあるんです」

 その構造的問題とは、「どんな売れっ子も、20年アイドルを続ければ、アイドルじゃなくなる」という至極当然の理屈だ。多くの女性ファンを得て、長く応援されたとしても、10代だったアイドルも40代になれば見限られ、新しく若いタレントに目が向くのも当然。SMAPに負けないくらいの国民的グループになった嵐でさえ、二宮和也の結婚などでファンはトーンダウンしているのが現実だ。

■デビュー予備軍は300人以上

 ジャニーズ担当のベテラン記者はこう言う。

「ジャニーズ事務所はジュニアから所属タレントまで、全員が売れるよう、なんとかしようとします。表舞台で駄目になったとしても、たとえば『少年隊』の錦織一清が演出家になっていたり、元『忍者』のメンバーがマネジャーで今も給料を得ていたりする。でも、所属タレントは年々、高齢化していくし、東西で300人以上いるデビュー予備軍のジュニアも控えており、その全部は面倒見切れないというのが実情でしょう」

 TOKIOのみならず、2012年メジャーデビューの5人組「A.B.C―Z」などなど、ジャニーズが持て余しているとおぼしきグループ、タレントは少なくない。

「ジャニーズは、かねてオーディションなど新人公募をしていない。故ジャニー喜多川社長が発掘したり、有望な候補者が紹介されて来たりで、表立って集めなくても集まってしまう。しかし飽和状態と言いますか、アイドルの素養が十分なのは当たり前。その上でトリリンガルだったり、楽器もできたりと、良い人材がズラリとそろっていても、それら才能を全部生かせているとは言えない」(前出のジャニーズ担当記者)

 タッキーこと、滝沢秀明副社長の激やせが話題になったが、ジャニーズが直面するアイドルの「金属疲労」とダブつくデビュー予備軍。リストラが加速しそうだ。