嵐の活動再開の“Xデー”は2年先か…テレビ局の配慮と皮算用

2020年11月16日

日刊ゲンダイDIGITAL

「どれだけ頑張れば冠番組を持たせてもらえるの?」--。King & Prince(キンプリ)のファンからこんな溜息が漏れて来た。

 先月、ジャニーズ事務所から、年内一杯で活動休止に入る嵐の看板番組「嵐にしやがれ」(日本テレビ系)、「VS嵐」(フジテレビ系)の後番組が発表された。この数カ月前から、芸能マスコミの間では後番組について様々なグループの名前が取り沙汰されていた。

 “ポスト嵐”の大本命と見られていたのはキンプリの平野紫耀(23)とSexy Zoneの中島健人(26)コンビだったが、蓋を開けてみれば2人の名前は見当たらず。「嵐にしやがれ」は櫻井翔(38)の「1億3000万人のSHOWチャンネル」に、「VS嵐」は相葉雅紀(37)の「VS魂」に衣替えする。番組刷新とは言い難く、テレビ局の“嵐キープ”の姿勢が鮮明となった。

 これに対し、キンプリのファンから「え~どうして?」と声が挙がったというわけだ。

 言うまでもなく、キンプリは18年5月発売のデビューシングル「シンデレラガール」から今年6月発売の「Mazy Night」まで、着実にヒットチャート1位を連発している。なぜ冠番組を持てないのか。

「確かにアーティストという視点から見れば、キンプリがジャニーズ事務所を代表する人気グループであることは疑う余地はありません。だからといってGP帯のバラエティー番組を任せられるかといったら、また別の話です。各局の独自調査で、キンプリは知名度は抜群ながら、数字(視聴率)の裏付けが十分ではないという結果が出ている。さらに言えば、キンプリの個々のメンバーにバラエティー番組を任せられる技量が備わっているのかと聞かれたら疑問符がつくというわけです」(テレビ局関係者)

■キンプリ平野&セクゾ中島のドラマは微妙な結果に…

 こうした判断基準の一つになったのが、今年6月期にオンエアされた平野と中島の「未満警察 ミッドナイトランナー」(日本テレビ系)だ。このドラマを局を挙げてサポートしたにもかかわらず、平均視聴率は9%台で、この消化不良の結果が嵐の後継番組のキャスティングに微妙な影を落とすことになった。

「事務所側は後継番組のキャスティングに関して、『キンプリでどうですか?』という露骨な売り込み方ではなく、いくつか選択肢を用意したうえでプレゼンしたと聞いています。その打合せの過程の中で、局側はキンプリではなく、活動休止する嵐の個々のメンバーの方が数字が取れると判断したのでしょう」(前出のテレビ局関係者)

 テレビ局がアイドルグループとして欲しがっているのは、勢いのあるキンプリではなく間もなく活動休止に入る嵐ということだ。

 もっとも、テレビ局が嵐のメンバー残留を選択したのは当然とも言える。早晩、嵐が復活するとみられているためだ。それを匂わせたのは、大野智(39)の個人事務所立ち上げを報じた11月7日配信の「日刊大衆」。今年4月22日に会社を設立し、会社登記の代表取締役には大野の実姉の名前があるという。さらに会社設立の目的欄には、〈演技者、タレント、画家、脚本家、監督、プロデューサー及びその他のアーティストの育成及びマネージメント〉と記載されているという。

 嵐の活動再開については懐疑的な声も囁かれていたが、それは「活動再開してもアーティスト志向の大野が参加しないのでは」という危惧からだった。ところが、大野は半年以上も前にタレント活動継続を裏付けるように個人事務所を設立していたという。

■Xデーはいつか

「大野の個人芸能プロ設立を知ったテレビ各局は、嵐の後継番組として数字の裏付けが無いキンプリでギャンブルするより、近く活動再開するであろう嵐のメンバーに任せた方がその後のメリットは大きいと判断したのだと思います。実際、番組に『嵐』メンバーの名前を残しておけば、活動再開したときにすんなりとグループが番組に合流でき来ますからね」(芸能関係者)

 気になる嵐の活動再開時期だが、関係者の間ではグループがデビューから23年目の区切りとなる“22年11月3日”がXデーとして有力視されている。

 またメンバーは、ファンのためにコロナ禍がで中止になった今年のドームツアーの補填も視野に入れているそうだ。

 活動休止した途端、今度は嵐の活動再開までのカウントダウンが始まる。

(芸能ジャーナリスト・芋澤貞雄)

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