箱根駅伝主催の関東学連が例年100万人の沿道応援自粛お願い

2020年9月21日

スポーツ報知

 関東学生陸上競技連盟(関東学連)は20日、新型コロナウイルス感染防止対策として、箱根駅伝をはじめ今年度の主催大会を無観客開催とすることを加盟校に通知した。例年、箱根駅伝では往路(1月2日)、復路(同3日)合わせて100万人以上の観衆が沿道で選手に声援を送っているが、97回目にして大きな転換期を迎えた。関東学連は「これからも末永く愛される駅伝競走でありたいと思っておりますので、ぜひともご理解、ご協力をお願いします」などのコメントも掲載した。

 関東学連は新型コロナウイルス感染拡大防止を大前提として、選手がチャレンジする機会を守るために、第97回箱根駅伝をはじめとした主催大会の無観客開催とする方針を決めた。

 有吉正博会長の名前で発表された「競技会での応援等の自粛について」の文書は誠実かつ具体的だった。「今年度、再開される本連盟主催競技会については、新型コロナウイルス感染症拡大抑制のためにすべて無観客で実施することとします」とコロナ対策を示した。

 10月17日に行われる予選会は東京・立川市の陸上自衛隊立川駐屯地内を周回するハーフマラソン(21・0975キロ)で無観客開催することが8月に発表済み。予選会は例年、陸上自衛隊立川駐屯地をスタート、立川市街地を回り、国営昭和記念公園ゴールの公認コースで開催されるが、今回は陸上自衛隊立川駐屯地内の1周約2・6キロの滑走路を周回するコースで行われる。

 競技場で行われる大会や予選会は観客をコントロールすることができるが、公道を走るマラソン、駅伝はコントロールが極めて難しい。今年3月の東京マラソンでは主催者が応援の自粛を訴えたが結局、約7万人が沿道で応援した。例年、沿道に二重三重の人垣ができ、2日間で100万人を超える新春の風物詩、箱根駅伝は観衆のコントロールが開催成功の鍵を握る。

 「公道を使用して実施させていただく駅伝は、競技場での開催とは異なり決められた出入り口での入退場のコントロールができません。駅伝競走開催においても沿道の地元住民の方々のご理解とご協力がなくては成立しません。これまで、駅伝競走は沿道で応援していただく皆さまに育てられてきました。これからも、末永く愛される駅伝競走でありたいと思っておりますので、ぜひともご理解、ご協力をお願いします」と関東学連は応援自粛を訴えた。

 1920年に始まった箱根駅伝は沿道のファンが大会を支え、そして選手を鼓舞した。ただ、未曽有のコロナ禍においては沿道で応援しないことが大会と選手を守ることになる。97回目にして事実上、初となる無観客の箱根駅伝の成功の可否は、駅伝ファンに委ねられているのかもしれない。

 ◆関東学連の自粛事項7項目

〈1〉今年度の主催競技会は全て無観客。ライブ配信や日本テレビでの生中継などを予定。

〈2〉会場への来場は、出場選手の他は必要最少の人数とする。

〈3〉応援団など集団での応援は行わない。運営上必要なもの以外に、大学名を示すのぼりなどの配布もしない。

〈4〉OB、OG、大学関係者、選手の家族などにも応援自粛を要請。

〈5〉会場などでは大会公式プログラムやグッズ等の販売活動は行わない。

〈6〉会場および周辺では新聞社の小旗や号外、大学新聞、協賛社関連配布物など運営に必要ではない全ての配布物を禁止する。

〈7〉開会式、閉会式、表彰式などの式典は縮小、もしくは行わない。