2020年3月8日
文春オンライン
「滝沢くんは自身がプレイヤーとして活動していた経験があるから、相談しやすいし、話を聞いてくれる。あまり口には出さないが僕らの不安を分かってくれている」
ジャニーズJr.で最近人気急上昇の「HiHi Jets」のメンバー・郄橋優斗(20)は周囲にこう話したという。
2月21日、自ら報道陣を迎えた会見でジャニーズ事務所退所を発表した中居正広(47)。今後は個人事務所「のんびりな会」を立ち上げ、仕事を続けていくつもりだと話した。
「中居くんの退所は、以前から出ている話だった。彼自身、元SMAPで新しい地図に所属する3人とは共演を望むような話もしていましたし、今後、何かしらの形で絡む可能性はあるかもしれません。SMAP解散から約3年2カ月での退所となりました」(芸能関係者)
さらにTOKIOの長瀬智也(41)も、退所する意向を示しているという。「週刊文春」(2020年3月5日号)では、2021年春以降に退所する意向をすでにジャニーズ事務所に伝えていると報じた。
「音楽活動をしたい長瀬くんですが、活動できていない現状にフラストレーションが溜まっていたようですね。藤島ジュリー景子さんに社長が変わってから、世代交代のスピードが加速度的に上がっている。彼らに取って代わる新しい才能が現れなければ、ジャニーズ事務所にいくら莫大な資産があるとはいえ、安泰とは言えないでしょう」(同前)
相次ぐ先輩タレントの退所に寂しさを感じる所属タレントも多いというが、一方で”チャンス到来”と色めき立っている後輩たちも多いという。顕著なのは、滝沢秀明社長が率いる「ジャニーズアイランド」に所属するジャニーズJr.の面々だ。
「大ベテランの先輩が退所するのを横目に、アイランド所属のJr.は団結力が高まっています。もともとアイランドに所属するJr.からすると、中居くんや長瀬くんは遥か雲の上の存在ですから、退所に実感が湧かないらしい。『中居くん辞めちゃうね、悲しいね』と話している程度ですよ」(ジャニーズ事務所関係者)
“無所属Jr.(ムショ)”にそういう子は多かった
昨年他界したジャニー喜多川社長時代には、放っておかれて仕事がないというJr.も多かったが、事務所をめぐる環境が変わったこともモチベーションアップに繋がっている。
「アイランドができるまでは、嵐などの先輩グループのバックダンサーのみの仕事で、半年間何も仕事がないということはザラにありました。特にグループに所属していない“無所属Jr.(通称:ムショ)”にそういう子は多かった。
でも、アイランドが出来てからは仕事がない子がほとんどいない。“ムショ”からの評判もとても良いです。例えば、“ムショ”の野澤祐樹くん(27)は、2011年からテレビ番組『笑っていいとも!』(フジテレビ系)で、16代目いいとも青年隊を務めていました。が、それ以降は目立つ仕事がなかった。しかし、滝沢くんは2019年に行われたジャニーズの先輩グループ『ふぉ~ゆ~』の舞台『放課後の厨房男子 リターンマッチは恋の味 篇』に出演させてあげるなどし、喜んでいましたね。他の“ムショ”の子も今後はSexy Zoneなど先輩のライブのバックにつくなど、仕事が増えています」(同前)
以前の体制のときには、退所を考えているジャニーズJr.も多かったという。
「2018年11月末、ジャニーズJr.内ユニットの『Love-tune』はグループ全員で事務所を退所しています(「現在はメンバーが再集結し、「7ORDER project」として別の事務所に所属し活動中)。今年デビューした『SixTONES』『Snow Man』と同格の人気ユニットだったため、Jr.内でも驚きの声は多かった。しかし、この時期は『Love-tune』だけでなく退所を考えているJr.は相当いたのです。仕事がない“ムショ”とか、デビューが見えないグループとか。とにかくみんな将来が不安だった。そんな不安を取り除いたのも滝沢くんだった。そう話すJr.が多いのは事実です」(同前)
滝沢社長も後輩にデビューを先に越される経験をしている
そのうちの一人が冒頭のHiHi Jets・郄橋優斗だ。滝沢氏はJr.との距離が近く、相談しやすい環境だという。
「郄橋くんは、高校3年生の時にちょうど『Love-tune』の退所があり、自身の将来を悩んでいた。もしもの時に備えて、会社に就職もできるように大学進学を視野に入れていたそうです。しかし、今では他のJr.に比べ滝沢くんとの距離も近く、仕事も増えた。恩返しをしようと仕事に前向きに取り組んでいます。
郄橋くんは、『滝沢くんは自身がプレイヤーとして活動していた経験があるから、相談しやすいし話を聞いてくれる。そういう部分でも頼りになる。滝沢くん自身、後輩である「嵐」の方が「タッキー&翼」より先にデビューしていて、後輩にデビューで先に越される経験をしている。さらに、僕らJr.がどれだけ長くJr.として活動しているかなども把握してくれているので、僕らの不安を感じ取ってくれている。あまり口には出さないけど、僕らの不安を分かってくれている』と話していました」(同前)
「七五三掛くんも退所を考えていた」
「Travis Japan」の七五三掛龍也(しめかけ りゅうや・24)も同じような境遇にあった。
「七五三掛くんは、『Love-tune』のメンバーと仲が良く自身も退所を考えている時期がありました。しかし、『滝沢くんと話し合って、事務所に残った』と聞いています。滝沢くんのおかげか、2019年4月には舞台『ハル』に出演。ジャニーズ主催ではなく外部の舞台に出れたことを喜んでいました」(前出・芸能関係者)
カリスマプロデューサーであった先代、故ジャニー喜多川氏から後継指名された滝沢氏だが、その手腕には疑問視する向きもあった。だが、滝沢氏が手掛けた「SixTONES」「Snow Man」の同時デビューがシングルの売り上げ的にも成功したことで、アイランド関係者も手応えを感じているようだ。
キスマイやヘイセイよりJr.の公演は倍率がかなり高い
「現在のJr.内ユニットを組んでいるグループは、公演をしても横浜アリーナくらいなら埋めることができます。さらに先輩の『Kis-My-Ft2』や『Hey! Say! JUMP』のチケットが売れなくなっているイメージですが、Jr.の公演は倍率がかなり高い。売り上げもかなり伸びているようで、今後も滝沢社長にかかる期待はますます大きい」(別のジャニーズ事務所関係者)
滝沢氏の一方、ジャニーズ本体の社長の直轄領では、KAT-TUNの亀梨和也(34)や関ジャニ∞の横山裕(38)らは、「美 少年」や「なにわ男子」らに楽曲提供や舞台プロデュースなどのかたちで後輩Jr.の育成に貢献しているという。今後のジャニーズを背負う、「SMAP」や「嵐」クラスの大スターは、誰の手によって生まれるのか。
(「週刊文春デジタル」編集部/週刊文春デジタル)