『第42回 吉川英治文学新人賞』に加藤シゲアキ 『オルタネート』が評価、武田綾乃とW受賞

2021年3月2日

オリコン

 『第42回 吉川英治文学新人賞』が2日、発表され、小説『オルタネート』(新潮社)の著者で人気グループ・NEWSの加藤シゲアキ(33)と、小説『愛されなくても別に』(講談社)の武田綾乃(28)が受賞した。

 同賞は2020年1月1日から12月31日までに、新聞、雑誌、単行本等で優秀な小説を発表した作家の中から、最も将来性のある新人作家に贈呈される賞で、過去には和田竜『村上海賊の娘』(第35回)、辻村深月『ツナグ』(第32回)、柳広司『ジョーカー・ゲーム』(第30回) 佐藤多佳子『一瞬の風になれ』(第28回)など、数々の話題作が受賞している。選考委員は、伊集院静、大沢在昌、恩田陸、京極夏彦、重松清。

 加藤は、NEWSのメンバーとして活動しながら、2012年に『ピンクとグレー』(角川書店)で作家デビュー。以降、4作を発表し、話題を集める。『オルタネート』は、昨年12月18日に第164回直木賞へのノミネートが発表されると、あらゆるメディアからの取材が殺到し、今年1月5日には累計発行部数10万部(5刷)を記録。1月21日には『本屋大賞』に初ノミネートされるという朗報も飛び込み、快挙が続いたことを受け、出版元の新潮社はさらなる重版を決定。現在までに累計13万部(6刷)を記録し、ジャニーズ出身アーティストとして初の快挙が続いている。

 武田は、2013年に、第8回日本ラブストーリー大賞最終候補作に選ばれた『今日、きみと息をする。』(宝島社)が出版されてデビュー。『響け! ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部へようこそ』(宝島社)がテレビアニメ化されて話題に。同シリーズは映画化、コミカライズもされ、人気を集めている。

【第42回 吉川英治文学新人賞の候補作品】(作家名の五十音順・敬称略)

・芦沢央『汚れた手をそこで拭かない』(文藝春秋)
・加藤シゲアキ『オルタネート』(新潮社)
・武田綾乃『愛されなくても別に』(講談社)
・辻堂ゆめ『十の輪をくぐる』(小学館)
・寺地はるな『水を縫う』(集英社)
・野崎まど(※崎はたつさきが正式)『タイタン』(講談社)