2020年7月1日
ココカラネクスト
そば湯は、文字通り「そばのゆで汁」です。そば屋では決まって湯桶(ゆとう)に入ったそば湯がついてきますが、これをつゆに加え割って飲む、というのがよくあるそば湯の楽しみ方。
ここでは、知っているようで知らない、そば湯の風習・栄養・飲み方やアレンジをご紹介します。
そば湯の風習はどこから?
そばの歴史は古く、縄文時代にまで遡ります。現在のような「そば切り」された麺状のものになったのは江戸中期。
そば切りの起源は明らかになっていませんが、一説では江戸中期に信州(現在の長野県塩尻市内の宿場)で発祥し、周辺の地域に広まっていたとされています。
日本三大そばとして有名な「戸隠そば」も長野県旧戸隠村一帯で作られています。
そば湯を飲む風習も信州から江戸に広まったといわれています。
そば粉のデンプンは消化吸収が早いため「消化が良くなり、お腹にもたれず、胃の調子が良くなる」と、そば湯が好まれるようになりました。
注目されているそば湯の栄養
そばの実には、良質なタンパク質、食物繊維、ビタミンB群、ポリフェノールの一種ルチンが豊富に含まれています。ルチンには、毛細血管を強化して血行を良くし、血圧を下げる働きがあります。
また、肝臓を保護してアルコールの分解を早めるコリンも含まれるので、そばは生活習慣病の予防にも役立ってくれる食材といえます。そば一食150~200 gには約5gの食物繊維が含まれており、食物繊維が不足しがちな現代人にもおすすめ。
しかし、残念ながらそばに含まれる豊富な栄養素は水に溶けやすい性質を持っています。そば湯を飲むことは、ゆで汁に溶け出した栄養を無駄にしないという理にかなったことなのです。
現代では、そばの栄養に注目が集まり、全国的にそば湯を飲む習慣が広がっています。
そば湯の飲み方やアレンジ
そば湯の楽しみ方は、そばつゆを割って飲むのがもっともポピュラーですが、これといった決まりがあるわけではありません。そば湯をそのままで味わったり、薬味を添えたりと自由気ままに自分の好みでいただくというスタイルが、そば好きな人達の間でよく見られる光景。
薬膳の考え方では、そばは体を冷やす食材のため、冬に食べるときには必ず体を温めるわさびやねぎ、七味唐辛子などの薬味を添えると良いとされています。
そば湯のアレンジ方法としては、クレープ生地に加えたり、味噌汁の出汁として使ったり、ポトフのスープとして利用することもできます。やや塩気があり、とろりとした舌触りのそば湯なら、和風のスープ、洋風のお菓子にも活用できそうですね。
そば粉の割合が多いほど、そばの風味や栄養をたっぷり吸収できるそば湯。そば粉の配分により、そば湯の味わいも異なります。風味豊かに楽しむならもちろん打ち粉にもそば粉を用いた生麺がおすすめ。乾麺でもそば粉の割合が8割以上の二八そばや十割そばなら、そばの味わいが感じられます。
さまざまなそばで「そば湯」を作って、自分好みの味を見つけるのも楽しそうです。
【監修】
スポーツクラブNAS
管理栄養士
市谷 直美
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