2020年6月13日
J-CASTニュース
スーパーマーケットなどで「オートミール」製品の売り切れが相次いでいるとの声をSNSで多く見かけるようになった。
なぜこのような事態が起きているのか、J-CASTニュースはオートミールメーカーに取材した。
「ダイエット目的で米の代わりにオートミール食べてたんだけど…」
オートミールとは、オート麦(えん麦)という穀物を原料とする食品。血糖値が上がりにくいという性質や、栄養豊富だということから、なかやまきんに君を始めとする筋トレ系・ダイエット系ユーチューバーらによって「ダイエット食品」として動画などで紹介されている。
ツイッターで「オートミール 売り切れ」と簡単なキーワード検索をかけると、2020年2月ごろから売り切れ報告のツイートが1日1件ほどヒットする。4月中旬からは1日5件前後見られるようになり、5月末になると1日約20件以上存在する日も。6月に入っても
「ダイエット目的で米の代わりにオートミール食べてたんだけど、スーパーに行くとずっと売り切れ」「ずっと売り切れ中で次回入荷未定のポップまで貼られているから日本国民はとうとうオートミールの魅力に気づいてしまったのかも」
といったツイートが1日20件前後見つかる。
アマゾンの価格の推移を集計しているサイト「Keepa」を見ていくと、海外メーカー「クエーカー」の「クエーカーオールドファッション 4.52kg」は、3月15日ごろには2300円前後だったようだが、6月9日には4990円ほどで売り出されている。
同じくオートミール製品で知られる「日本食品製造」によると、「日食プレミアム ピュア オートミール 300g」の「参考売価」は370円(税抜)。Keepaを参考にアマゾンを見ていくと3月15日ごろには8袋セットが3600円程度だが、こちらも6月9日には4500円と、通販では高騰気味のようだ。
「緊急事態宣言が出され、需要が一気に…」
売り切れについて、日本食品製造の代表・戸部謙ルイス氏は「多くの店舗様で製品が売り切れ(欠品)しており、お客様に大変ご迷惑をお掛けしており、大変申し訳なく感じております」とコメントした。
さらに、3つの要因を語った。まず緊急事態宣言を挙げ、
「今回のコロナの感染の広まりにより、緊急事態宣言が出され、需要が一気に高まったことが第一の要因であると考えております。オートミールは他のシリアル類と異なり、お粥状にして食べることができ、主食として常食されているお客様がいることから、お米などと同じく、買いだめが一時的に進んだと推測されます。また、離乳食としても、利用されている方々が多く、多めにご購入頂いたと推測されます。さらに、ボディービルダーやスポーツ選手、ダイエット中の方々も常時使用されているため、これらの方々も多めにご購入されたのではないでしょうか」
とした。第2に、
「ダイエットや『腸活』用として、オートミールの使用が増えていることも要因であると考えます。コロナ感染の広がる以前より、オートミールの需要は毎年少しずつ高まっておりましたが、売り切れになるほど需要が高まっていたわけではありませんでした。しかしながら、今回の緊急事態宣言により、需要が一時的に高まったと推測されます」
とのことだ。そして第3には
「オートミールを製菓材料として使用される方々も多くおられ、今回の緊急事態宣言により小麦粉やパンケーキミックスが売り切れ状態になり、オートミールも製菓材料として一部のお客様にご購入された可能性が高いものと推察しております」
と、「製菓材料」としての需要も挙げた。
増産については
「今年の3月よりフル生産をしており、通常の2倍以上の製造量を現在製造しております。日々、お客様からは販売店などの問い合わせを多くいただいておりますので、全社一丸となって欠品状態の解消に努めております。常食されているものが無くなることは、極めてお客様にご迷惑をおかけしてしまう事を重々理解しておりますので、6月中までには、品切れ状態が無くなるよう増産・出荷中であります」
と、欠品解消を目指す。