2020年6月2日
Engadget 日本版
マイクロソフトが英米でMSNやEgdeブラウザーに表示されるニュースページのライターをAIに置き換え始めたと報道されています。英国では約27人、米国では約50人がすでにこの変化の影響を受けているとのこと。影響を受ける従業員の多くは、外部企業を通じて契約した編集者で、ニュースネタの選定を支援しています。
マイクロソフト広報担当者は「われわれは他のあらゆる企業と同様、定期的にビジネスを評価しています」と述べ、「場所によっては投資を増やし、別の場所では人員の再配置をすることがあります。こうした決定は(新型コロナウイルスの)パンデミックに左右されません」と述べました。
MSNは、1995年に開始されてからすでに25年以上が経過します。約2年前、Microsoft Newsを立ち上げたときには、世界50か所で800人以上の編集者が働いていることを自慢していました。現在のマイクロソフトのニュースは独自コンテンツをやめ、すべてをキュレーションでまかなっています。
編集者の仕事は一時配信元からのニュースを選定し、自社のフォーマット合うようコンテンツや見出しを適切に変更、マイクロソフトのプラットフォームで配信しすること。配信したニュースは一時配信元と広告収入を分配します。今回AIに仕事を奪われつつあるのは社外の編集者として雇用された人たち。
解雇を言い渡された匿名の編集者はSeattle Timesの取材に応じ「われわれの仕事は数か月前から半自動化されていましたが、今はかなりその導入が加速しています。機械が私たちの代わりをやっていると思うとがっかりです」と述べています。
いまやAIがニュース記事を生成できる時代であり、AIが文章を扱う作業を行うことは決して新しいことではありません。とはいえメジャーなニュースサイトで人間の職を奪う事例はおそらく初めてのこと。The Guardianは、影響を受けた人物のひとりが懸念することとして、AIが暴力的であったり不適切なコンテンツを誤って掲載する可能性を挙げたと伝えています。
ただ、人間でもOJTと呼ばれる実践的教育手法があるように、AIの適用範囲を拡げていくためには、少々のエラーはあえて出させて、それを順次解決していくほうが効率が良いのかもしれません。
Source:The Guardian, The Seattle Times
Via:The Verge