2020年1月27日
読売新聞オンライン
日本耳鼻咽喉科学会(日耳鼻にちじび)の静岡県地方部会学校保健委員会は、耳あかが耳の奥にたまらないことを実証した動画を作った。
耳掃除は基本的に必要ないと伝える狙いがあり、26日に開かれた日耳鼻の全国会議で紹介した。
浜松市中区の耳鼻科医で、同委員会の植田洋委員長が成人女性の耳の中を5か月間観察し、古くなった鼓膜の皮膚が、耳の外側に向かってゆっくりと移動していく様子を撮影。これが入り口付近で剥がれて耳あかとなり、自然と外に排出されることを解説した約12分の動画を作成した。日耳鼻静岡県地方部会のホームページに掲載されている。
植田氏は「耳掃除をすると内部を傷つける恐れがある」とも指摘。日耳鼻の広報委員会委員で、済生会宇都宮病院(宇都宮市)耳鼻咽喉科の新田しんでん清一主任診療科長も「耳掃除は推奨しない」と話している。
ただ、耳あかが粘性のタイプの人もいることから、新田氏は「気になる場合は耳鼻科で除去してもらうか、耳の入り口から1センチ以内の場所を2週間から1か月に1回程度、綿棒でそっと拭き取る程度に抑えた方がよい」と呼びかけている。