在宅勤務でルーズになった生活…「早起き」体質に変わるには

2020年5月31日

NEWSポストセブン

 新型コロナウイルスの影響で、在宅勤務をする人が増えている。中には、生活が不規則になってしまって、通常勤務に戻ることが不安な方も多いのではないか。よく知られているように「早寝早起き」は健康生活の基本だが、生活リズムはなかなか変えられないのも事実。朝活コミュニティ「朝渋」を主宰してさまざまな活動を行っている井上皓史さんと、一般社団法人日本健康食育協会代表理事の柏原ゆきよさん(管理栄養士)が、早起きのコツと効果について語り合った。

 * * *
柏原ゆきよ(以下、柏原):私は体質改善指導をしていて、朝食を変えるとダイエットに効果的だと話しています。でも多くの方が「朝、食べる時間がない」とおっしゃいます。そこで早起きのプロである井上さんに、早起きのコツを伺いたいと思いまして。井上さんは毎朝5時に起きて朝活されているんですね。

井上皓史(以下、井上):はい、「朝渋」というコミュニティで、早起きを広める活動をしています。朝7時台から著名人の講演や英会話などのイベント、オンラインコミュニティ、早起き習慣を身に付けるプログラムなど、早起きのきっかけになるものをお届けしています(在宅自粛期間はオンラインイベントを開催)。

柏原:今、在宅勤務している人が多いようですが、生活習慣が乱れてルーズになりがちという方も多いようです。

井上:ええ、僕も、どうしたら在宅ワークでパフォーマンスを上げられるか、よく聞かれましたが、「早寝早起きをすれば、無敵モードになれますよ」とお答えしています。

柏原:無敵モード!? すごいですね。でも、早起きが体にいいのはわかりますけど、他にどんなメリットがあるのでしょう?

井上:まず、早く起きるだけで「朝早く起きられた!」という成功体験から一日が始まりますから、その後もポジティブな気持ちで行動できます。そして朝5時に起きれば、仕事を始めるまでに2~3時間ありますよね。僕はこの時間を「ゴールデンタイム」と呼んでいますが、この時間を有効に使うことで、生活習慣が整うだけでなく、業績アップやキャリアアップが期待できるなど、さまざまな効用があるのです。

柏原:朝は邪魔が入りませんものね。

井上:ええ、朝は静かで体も疲れていませんから、集中して仕事ができます。僕は会社員時代、業務開始の10時までにその日の一番重要な仕事を終えていました。

柏原:余裕ですね!

井上:その余裕が大切なんですよね。仕事中は電話や急な打ち合わせなどのタスクが入りがちです。自分の仕事ができるのは15時からとなると、気力も集中力も落ちてしまう。それが、早い時間に大事な仕事が終わっていればイライラすることも減りますよ。僕自身、会社員時代は朝時間を活用したことで売り上げが上がり、おかげで評価や信頼もアップして自信もつくという好循環につながりました。在宅ワークでも、朝の数時間で重要な仕事を終わらせてしまえば、精神的な余裕と自信につながります。朝早くなら家族に話しかけられることもないですし。

 実は、僕も昔は完全な夜型生活で、毎日遅くまで残業して終電で帰る生活でした。体が辛くなり、仕事に身も入らなくなったので、思い切って朝型に変え、周囲にもそれを宣言して夜の残業を朝に回したら、めちゃくちゃ効率が良くなったんです!

柏原:気力も体力もあるうちに、やるべきことをやってしまうわけですね。

井上:仕事だけではなく、朝のゴールデンタイムを起業や転職のための時間にあてている方も多いですよ。朝、エンジニアになるための勉強をして転職に成功した方もいれば、朝活でコーチング実績を積み重ねた結果、プロコーチとして独立した方もいます。他にも英会話や資格の勉強、起業プランを練るなど、多くの方が朝の時間で人生を変えています。朝は終わりの時間も決まっているので、集中力もアップしますよ。

柏原:確かに仕事の後は疲れていて、前向きなことをするのは難しいですね。

井上:また、柏原さんのご専門になりますが、早起きはダイエットにも有効です。朝型生活に変えてジョギングなどの運動を取り入れたことで、7キロの減量に成功した方もいます。

柏原:それは納得です! 朝きちんと起きて朝食を食べると、体温も上がり、脳など体の機能も高まりますから、仕事のパフォーマンスも上がるはずです。でも……起きられない(笑)。どうしたら早起きできますか?

井上:実は大切なのは、早起きより早寝なんです! 毎晩22時に寝ることができれば、7時間寝ても5時に起きられます。とにかく布団に入る時間を決め、それまでの時間割を決めておくことですね。

柏原:確かに、夜って時間の意識が緩みがちですね。

井上:ええ、でも就寝時間を決めておけば、「やること/やらないこと」が明確になります。早く寝なきゃいけないから夜に動画はやめようとか、この時間までに食事を終えようとか。

柏原:でも、つい夜ふかししてしまうこともありませんか?

井上:ありますね。仕事でもそうですが、遅くなる日は「シンデレラルール」を使うといいですよ。特例として月に何日かは夜ふかしOKとしながら、24時までには寝るというルールです。翌朝は無理せず、7時に起きます。早起きが続かない人はよく「早起きできない自分が嫌になる」と言いますが、特例を決めておけば自己嫌悪にも陥りません。

柏原:早起きするためには、夜にダラダラせず、早く寝ることですね。その意識が生活習慣を整えますよね。そして前向きな生活につながりそうです。私も早速、早寝早起きを始めてみます!

井上:最初は無理をせず、一日30分、時間を早めることから始めてみてください。きっと人生が変わりますよ!

【PROFILE】柏原ゆきよ(かしわばら・ゆきよ)/一般社団法人日本健康食育協会代表理事(管理栄養士)。5万人以上の食サポート経験から、日本人の体質に合ったごはんとみそ汁を中心とした食事法「おなかやせメソッド」「食べる断食」を開発。YouTube「ゆきよチャンネル」、柏原ゆきよ無料メール講座(https://bit.ly/3ciMyRj)が人気。最新刊は『お腹からやせる食べ方』(三笠書房 知的生き方文庫)。

【PROFILE】井上皓史(いのうえ・こうじ)/朝活コミュニティ「朝渋」代表として、会員とともに読書や英会話などさまざまな活動を行う。株式会社Morning Labo取締役。本の著者を招いたトークイベント「著者と語る朝渋」は年間5000人を動員する規模に成長した。早起きを日本のスタンダードにすることを目指す。2020年3月『昨日も22時に寝たので僕の人生は無敵です』(小学館)を出版。

◆撮影/黒石あみ、構成/真田晴美

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする