2020年3月4日
ココカラネクスト
身体がストレスを感じると、体内に様々なホルモンが分泌されてホルモンバランスが崩れてしまうケースもあります。その中でも、ストレスとの関係が深いと言われているのが、ストレスホルモンの一つとも呼ばれる「コルチゾール」です。とはいうものの、コルチゾールがどのようなホルモンで、いったいどのような働きをしているのか、理解している人は少ないのではないでしょうか?そこで、コルチゾールの働きについて解説します!
コルチゾールの基本的な働き
コルチゾールは、腎臓の上にちょこんと乗っている副腎の周りにある、副腎皮質で作られるホルモンです。主に身体中のエネルギー(≒糖質)の流れに作用することから、糖質コルチコイドの一種として分類されています。また、ストレスを感じた状況で分泌されることから、ストレスホルモンともいわれています。ストレスホルモンと聞くと悪いイメージを持たれるかもしれません。しかしコルチゾールは、ストレスを感じたときにだけ分泌されるホルモンではありません。身体の機能を程よく保つために、不可欠な存在なのです。
コルチゾールは主に、体内の脂質やたんぱく質をエネルギーに変えることや、血圧を高めることを促します。一般的に睡眠中はコルチゾールの分泌が低く、午前3時ころから明け方にかけて分泌が増え、起床後30~60分後にもっとも分泌が増えると言われてます。
これは、何も食べていない状態でエネルギーが身体に回っていない睡眠中から、起床後すぐにエネルギーを使って動けるようにするための機能と考えられています。
また、睡眠時と比べてストレスを感じやすい日中に備え、身体中へのエネルギー供給を促す役割もあります。
その意味では、目覚まし時計のような働きをしているホルモンと考えられるでしょう。
他にも、コルチゾールは体内の免疫機能を緩和して炎症を抑える働きがあることから、消炎剤の成分として使われることもあります。
このように、コルチゾールは基本的には身体のバランスを整える働きをしており、それ自体は体に悪影響を及ぼすものではなく、体に必要な存在なのです。
ストレスによって分泌バランスが崩れたら…
本来ならば身体の正常な機能を保つ働きをするコルチゾールですが、過剰なストレスなどで分泌バランスが崩れると、身体に様々な悪影響をもたらすことになります。
その一つが、心疾患や脳梗塞のリスク増加です。ストレスを受け続けると体内では、ストレスに対処するエネルギーを得るためコルチゾールの分泌が増えてしまいます。これにより心臓が活発に動くことで血圧が上がります。このような状況が続くと、心疾患や脳梗塞の危険が高まることになるのです。
また、感染症へかかりやすくなるというリスクも増えます。コルチゾールによって免疫機能が緩和されたままになると、それだけウイルスや細菌に感染しやすくなり、風邪をひきやすくなったり、インフルエンザにかかりやすくなることに繋がってしまうからです。
さらに、女性にとって深刻問題である、肌への悪影響にもつながります。コルチゾールの分泌が増えることで、男性ホルモンの分泌も増えて皮脂が出やすくなり、ニキビができやすい肌になってしまいます。
また、成長ホルモンの分泌が抑えられてしまうことによって肌の新陳代謝が滞り、肌荒れを引き起こしやすくなってしまうのです!
ストレスマネジメントでコルチゾールと良いお付き合いを
適量の分泌であれば、コルチゾールは身体のバランスを整え、ストレスと戦う力を授けてくれます。しかし、ストレスを受け続けた結果、コルチゾールが過剰に分泌されると、身体に様々な悪影響をもたらすことになります。結局、コルチゾールをよいものするのも悪いものにするのも、ストレス次第ということになってしまいます。
ストレスを感じ続けるような環境を見直すほか、自分が意識しないストレス要因に少し注意を払ってみたり、ストレス要因から遠ざかったりなど、ストレスとうまく付き合うことが大切です。
また、こまめにストレス解消し、食事や睡眠、運動など、規則正しい生活習慣を取ったりすることも、併せて重要です。
コルチゾールを悪いモノと決めつけるのではなく、自分のストレス要因や日々の生活を見直すバロメータの一つと考えるがよいのかもしれません。
[文:ストレススキャン編集部]
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※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。