「在宅太り」を防ぐ!外出自粛生活の落とし穴と体形キープ術

2020年4月21日

ダイヤモンド・オンライン

 外出自粛要請を受けて、在宅勤務が続く中で「在宅太りが気になる」という声を聞くようになってきました。しかしながら、一口に在宅勤務といっても、置かれている状況がさまざまで、勤務スタイル、買い物の自由度、料理スキル、疲労度などによって、できることも変わってきます。

 一方で、これまでダイエット相談に乗る中で聞いてきた「太る理由」の多くが、生活の変化やストレスによる「食生活の乱れ」「暴飲暴食」だったのも事実。在宅の時間が増えれば、活動量が低下することに加え、「食べることだけが楽しみ!」となりがちなので、気をつけないと太りやすくなります。でも、こんなときに厳しい食事改善をすれば、それはそれでストレスになってしまう可能性もあります。

 まずは、とにもかくにも健康第一!煮詰まりがちな在宅勤務中、気分転換をするためにも食事の時間を有効活用して、太りにくい食生活を実践してみてください。

ついつい食べすぎ、栄養にも偏り……
在宅太りを防ぐ「食事」4つのポイント

(1)間食、食事中は完全に仕事から離れる

「ちょっと口寂しくて」「ちょっと気分転換に」「集中力が落ちたから」など、事あるごとにキッチンに立ち寄って冷蔵庫やお菓子を物色していませんか?

 在宅勤務中の今は、オフィスと比べて仕事をしながら、「なんでも」「いつでも」飲食できる環境が整っていますよね。

 でも、この癖をつけたら、間違いなく太るのはもちろん、やめるのにもストレスがかかってしまいます。加えて、「日中たくさん間食しちゃったから、夜は簡単でいいや……」と、食事がおろそかになってしまったら、健康面でもマイナスに働きます。

 また、「ながら食い」は食事の満足感を低下させて、無意識のうちに食べすぎてしまいます。

 おすすめは、仕事中の飲食が習慣になる前に、「飲食をするときには完全に仕事から離れる」癖をつけることです。同じテーブルでも座る位置を変える、ソファに移動する、ベランダに簡易椅子を置いて“にわかテラス席”を作る、室内でもピクニックシートを広げてみる……といった方法で、食べる時間はパソコンの前から離れてみましょう。仕事と食事を切り分けることができ、気分転換になるようなことだったらなんでも良いと思います。

 気分任せのタイミングで仕事をしながら食べ物を口にするよりも、「これをやりきったらランチにしよう」「15時になったらおやつ休憩にしよう」というように、仕事の良い区切りに食事の時間を作るのが集中力を高める意味でもおすすめです。

 生活にメリハリをつけ、食事や睡眠を含めて規則正しい生活を送ることは、体を疲れさせないためにも大切なことです。

(2)昼食は朝のうちに準備で負担軽減!

 在宅勤務中に家族のための食事も用意しなければならない……という人は、料理の負担だけでもかなりのストレスがかかっていると思います。

 たとえ「5分でできる簡単レシピ」だったとしても、準備から片付けまでを考えるとそれなりの手間がかかりますよね。在宅勤務がこれから長期戦となることを考えると、家族はもちろん、あなたが倒れてしまわないことも大切です。

 昼は丼ものや麺類のような単品にする、と割り切る、朝食の片付けと一緒にお昼ごはんを用意してお弁当箱に詰めてしまう、というのも一つの手です。もちろん、冷凍食品を活用しながらでも構いません。お弁当にすれば、主食・主菜・副菜がわかりやすいバランスで詰めやすく、量的にも食べすぎの心配がありません。

 昼食の時間が遅くなると、夕食の時間も自然と後ろ倒しになります。夕食の時間が早まるだけでも、より健康的で太りにくい食生活になるので、栄養バランスを1日のトータルで考え、お昼は軽めにするのも一案です。

(3)ちょい足し自炊で栄養バランスの良い食事に

 お昼は単品と割り切る、と書きましたが、「料理する時間がなくて毎日市販のソースを使ってパスタばかり食べていたら太った!」という声もちらほら聞くようになりました。そんな単品ランチは一工夫で、さらに栄養バランスの良い食事に変身します。

 小さな心がけとしては、高カロリーなクリーム系ソースから、カロリー低めなトマトベースのソースにする、というのも良いでしょう。また、パスタをゆでるときに、カット野菜やきのこなどを一緒にゆでて、ボリュームアップさせるのも一案です。食物繊維を摂取することで血糖値を上げにくく、太りにくい食べ方につながります。

 また、インスタントのおみそ汁にカット野菜を加えてひと煮立ちさせれば具だくさんおみそ汁になりますし、市販の豚汁にキムチ、卵を落としてひと煮立ちさせてチゲ鍋風にするのも良いでしょう。包丁とまな板を出さなくても、意識次第では、太りにくい食生活に欠かせない「野菜」をしっかり補給できます。

 これを機会に自炊を始めた、自炊にハマった、という方は、まずはシェフや料理研究家の方が提供なさっているようなレシピから試すのがおすすめです(食品メーカー、飲料メーカーのウェブサイトにも多く掲載されています)。作るうえでのコツも書かれていたりするので、「頑張って作ってみたのになんか思っていたのと違う……」とならず、おいしくできる確率が上がります。

(4)いつも以上に「カフェインのとりすぎ」に注意!

 仕事中、どうしても口寂しくなってしまう……という人は、「間食」ではなく「飲み物」のバリエーションを広げて、普段あまり飲む機会がないもの、たとえば、ノンカフェインのハーブティーなどを試してみるのはどうでしょう。香りが変わると気分転換になりますし、コーヒーを飲むとお菓子を食べたくなる…というループから抜け出せるかもしれません。

 気をつけたいのはカフェインをとりすぎること。仕事中の定番飲み物といえばコーヒーで、在宅勤務でさらに摂取量が増えている、という方もいらっしゃいますよね。活動量や日に当たる時間の減少、不安感などでも睡眠の質は下がりがちです。良質の睡眠は健康の源なので、カフェインを多く含むものの摂取は15時くらいまで、というように時間を区切るのも良いでしょう。

 そして、在宅勤務時ならではの「太りにくい環境作り」も合わせて意識してみましょう。

ついつい甘くなる自己管理……
外出自粛生活の体形キープ術とは

(1)「オンラインランチ」で食生活の乱れを抑制

 業務は滞りなく行えても、単身世帯などで人とのコミュニケーションが限られてくると、ストレスがたまりやすくなるかもしれません。お酒を飲む方はオンライン飲み会という手もありますが、短時間で気軽に話せる「オンラインランチ」もおすすめです。「何食べている?」と話す人がいることも、食生活の乱れを食い止めてくれます。

 一方で、常に誰かと一緒にいる人は「一人の時間」を意識的に作ることも、ストレス対策として必要かもしれません。

(2)「在宅」でもタイトな洋服を身に着ける

 下はスエットで上だけシャツ……なんて格好でオンラインミーティングをしていませんか?誰に会わずとも、できるだけタイトな洋服を身に着けたり、体重計にこれまでよりマメに乗ったりして、体重増加に気がつく環境を整えましょう。タイトな洋服を身に着けることは、食べすぎ防止にも一役買ってくれます。

(3)スマホで食事記録をつけてみる

 浮いた通勤時間の分だけ、とは言いませんが、毎日5分から10分、自分の「健康」ための時間がとれると良いですよね。これを機にランニングや筋トレなど運動を始めた、という方もいますが、家の中でもできることでいうと、スマートフォンのアプリなどで「食事の記録をつける」というのもおすすめです。何を食べたかを記録するだけでも、自然とヘルシーなものを選びやすくなります。

ストレスを減らすには
家庭内の思いやりが重要!

 今の時期、自分のことだけではなく、周りの人の健康にも配慮することも大切です。「在宅」で過ごせるのも、ライフラインを支えてくださる方々のおかげ。家の外でも、中でも、日々の感謝の言葉をちゃんと口にしたり、負担をかけないように配慮したり…そんな人としての思いやりがお互いのストレスを軽減し、みんなの心身の健康につながってくるように思います。

 そして、「太ったなぁ」と悩んでいるパパ!いつもと違う環境でのお仕事は大変だと思いますが、ぜひ、ダイエットも兼ねて、これまで以上に家事育児をシェアしてあげてください!活動量が増えて痩せるし、感謝されるし、家事スキルもアップするし……と良いことずくめですよ。

(栄養士・食事カウンセラー 笠井奈津子)