2020年4月16日
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ダイエットの食事回数についての説は何が正解?
ダイエット中は、食事のカロリーが気になりますよね。食事を抜いてしまえばその分、カロリーカットできるようにも思います。1日○食が良いという食事方法については様々な説があり、「では一体何が一番最適なのか?」と思ってしまう人も多いことでしょう。
それぞれの食事回数の詳しい方式と、おススメの食事回数について考察したいと思います。
空腹時、必要な分だけ食べる「1日1食方式」
この方法のポイントは、「無理に1日3食食べなくてもよい。体が欲している時に食べる」ということ。要するに、朝はお腹が空いていないのに無理に食べ、昼も昼休みになったからと何となく食べ、夕食の時間になったら出されるから食べる……、といった生活では、本当に必要では無いものまで食べてしまうということになるというのが根本的な考え方です。
私たちは、前夜にたっぷり食べれば朝はお腹が空きません。お昼を食べ過ぎたら夕食になってもお腹が空かないことがあるでしょう。また、活発に動いた日は食欲が出ますが、家でじっとしていたらお腹が空かないという経験も、誰しもあるもの。
お腹が空かないということは、エネルギー(カロリー)は充分足りている可能性が高く、その状態で更に食べてしまうと結果的にカロリーオーバーになるのです。1日1食方式は、回数や食事時間にとらわれるわけではなく、本当に必要な時だけ食事をするという考え方です。
ただし注意したいのは「1日1食を大量に食べる」ことは避けたい、ということです。一気に血糖値が上がり、肥満や生活習慣病の原因となりますので注意してください。
夕方の軽食で夜のドカ食いを防ぐ「1日4食方式」
1日に4食を推奨している医師の先生の説によれば、内臓の働きは1日の時間でそれぞれ違うので、食べる食材とタイミングを選んだほうが長生きできるということです。具体的には、朝に肉や魚などを食べ、15時にも1度食事をすることが推奨されています。逆に、夜には肉や魚のおかずを食べないということのようです。
一方で、この方法とは別ですが、働く社会人にとって夕食を早めの時間にとることは難しく、夜遅い食事は内臓の負担になることや、肥満の原因になるということが現実ですよね。
そこで、夕方16~17時くらいにおにぎりやかけ蕎麦などを食べておき、帰宅してから野菜料理やおかずを食べるという方法です。こうすることで、食べ過ぎを防ぐこともでき、空腹になり過ぎることもないので、現実的に実践しやすい方法と言えるでしょう。
血糖値の急上昇を防ぐ「1日5食方式」
こちらは、しばしばタレントさんやモデルさんなどがされているということで耳にする食事法。おおよそは、7時くらいの朝食、10時くらいのおやつ、13時くらいの昼食、16時くらいの間食、19時くらいの夕食といった食べかたです。
実際の内容は、少しずつ食事を摂るという方もいれば、間食としてヨーグルトや果物などを間に挟むという方もいます。空腹をガマンし過ぎることがないのでストレスが溜まらず、継続がしやすいというものです。
食事は、トータルの量が同じであれば、何度に分けて食べても太ったりしません。逆に、空腹状態から一気に満腹にすることのほうが、血糖値の上昇にともなう生活習慣病や肥満の可能性が高まります。そうした意味ではこの方法にも一理あると考えられます。注意点は、一食の量が多いとそれだけ食べ過ぎてしまうことです。
厚生労働省が推奨する「1日3食方式」
厚生労働省が推奨しているもので、日本国内では最も一般的な食事回数です。ご存知の通り、朝食、昼食、夕食と1日に3回の食事をとることを指しており、本来は5~6時間置きくらいに食事をするのが理想的だといわれています。
成人が1日に必要なエネルギーが2000kcal程度とすれば、平均すると1時間に約80kcal程度をとっていれば良いということになります。
実際には睡眠時間もあるため、起きている間に1食あたり600~700kcalの食事をとるということになりますが、この量は食事量のカサとしても、内容の充実度としても実践しやすい方法だと言えます。食事の間が空き過ぎることもなく、一気に食べ過ぎることもなく、リスクの低い考え方です。
理想としては、朝・昼・夜と規則的に同量程度の食事をし、できるだけ同じ時間に睡眠をとるのが良いのですが、現代人の生活スタイルは様々で、これに当てはまらない場合も多く起こりうるでしょう。従って、一つの目安としたい代表的な方法ですが、どんな条件下でも絶対的、といったものでもないと考えて良いと思います。
現代人にとっては、結局1日何食が良いのか?
諸説紹介してまいりましたが、結局のところそれぞれの方法に論拠があり、どれがダメでどれが万人向けということは申しがたいのも確か。私は、一般的な万人向けとしては、やはり1日3食が最もリスクが低いと考えています。
その上で、もう一歩踏み込んで考えるのであれば、現代の働く人に向けては「1日2食+軽食」または「1日4食」ということを、食事回数アレンジの一部として紹介しておきたいと思います。
▼夕食重視派は「1日2食+アルファ」
この方法は、どうしても夕食が重たくなってしまう人、週に何度かは会食や飲み会などがあり夕食をしっかりと食べなくてはならない環境にある人向けです。
まず夕食。ライフスタイルとして優先順位が高いわけなので、ここでは無理のない程度で、必要な食事をしてください。こうして一般的に推奨されている食事量よりも夕食が多いという前提なわけなので、他の食事で調整をしたいと思います。
まずひとつの案としては、朝食を軽くすること。夕食をたっぷり食べているのですから、朝は当然お腹は空きませんよね。ヨーグルトや野菜ジュース、スムージー類、カフェオレなど、何かしら胃に入れていただきたいとは思いますが、普通量の朝食を無理にとる必要はないと思います。
そして昼食。夜食べるであろうものを考慮し、または前夜に食べたものを考え、不足している食材や栄養素を優先的に摂るような工夫をしてください。例えば、前夜に焼肉をたっぷり食べ、朝は野菜ジュースを飲んだのなら、昼は肉や脂質を控え、野菜や豆製品などを使った食事を選ぶといった具合です。
1日2食のもう一つの案としては、昼食を軽くすること。朝食べないと昼までもたないという場合は、朝食を普通に食べてください。そして、昼食では朝と夕のつなぎになるような軽食をとるようにしてください。
例えば、前夜にイタリアンのコースを食べ、朝は和朝食だったとしましょう。たんぱく質や脂質はたっぷり足りていることから、ランチはざる蕎麦とかおにぎりといった単品食べでもOKです。野菜ジュースなどを添えられればなお良いですね。
食事は1~3日でのトータル量で調節すれば良く、多く食べたものは次に控え、足りていないと思うものがあれば合間にそれをとればOKです。できるだけ、野菜はたっぷりとるようにしてくださいね。
▼夜遅い夕食の人は「1日4食」
この方法は前述の通りで、1日3食を食べる中で、夕食が21時過ぎになってしまう人におすすめの方法です。残業などで遅くなりそうな時、夕方16~18時くらいの間に、野菜ジュースとおにぎり、ざる蕎麦と野菜スープ、などの食事をとり、帰宅してからは油脂を控えたおかずや野菜料理などを食べるという方法です。
このように、必要な食材や栄養価はある程度考慮しながら、食事の量や回数などを状況に応じてアレンジできるようになれば、太りにくく病気になりにくい日々が送れるでしょう。ご自身のライフスタイルにあわせて工夫をしてみてくださいね。
(文:浅尾 貴子(管理栄養士))