2020年1月3日 17時0分
まいどなニュース
「和蝋燭(ろうそく)じゃないよ」「蝋燭とも言われる」。京都駅(京都市下京区)の北側にそびえる京都タワーがツイッターで「ろうそくがモチーフではない」と繰り返し訴えている。開業から半世紀以上たつが、本来のモチーフが世間で知られていないのが悩み。由来を知ってもらおうと必死のアピールが続く。それで結局、何をイメージしているんだっけ?
京都タワーは高さ131メートルで、1964年12月28日に開業した。その建設計画は「古都の破壊」などと批判されたが、最近では、京都ゆかりのバンド「くるり」がベストアルバムのジャケット写真に採用するなど、半世紀を経て京都のシンボルとしてすっかりなじんだように見える。
そんな京都タワーのモチーフはろうそくと広く信じられている。ツイッターには「京都タワーはろうそくの形」などというつぶやきが多く見られ、ある男性歌手は東本願寺の写真とともに「京都タワーがなぜ和ろうそくを模したデザインになっているか納得」というツイートを投稿している。確かに、その外見は燭台(しょくだい)に立てられた白いろうそくのようだ。
けれども、それは残念ながら間違い。正解は灯台だ。京都市街の町家の瓦屋根を波に見立て、それらを照らす存在になぞらえたという。それが証拠に、公式ツイッターのプロフィルには「京都タワーは海のない京都市街を照らす灯台をイメージして1964年に誕生」と明記されている。
それでも知らない人が多いからだろう。ツイッターでは時折、モチーフが灯台であることをアピールする投稿がしばしば見られる。11月1日の灯台記念日には「人ごととは思えません!これからもまちなかの灯台として京都の街を照らします」とツイートした。
京都タワーの広報は「タワーの中でも『ろうそくがモチーフ』と話しておられるガイドさんを見かけます」と苦笑いしつつ、「これからも灯台がモチーフだと地道にアピールしていきます」と言葉に力を込めた。
(まいどなニュース/京都新聞・浅井 佳穂)