「コロナ虫歯が増加」 小児科、歯科医らが子どもへの影響を共有 山梨

2021年1月10日

毎日新聞

 山梨県内の小児科医や歯科医師、保健師らでつくる県小児保健協会(山懸然太朗会長)の学術集会が9日、中央市の山梨大医学部キャンパスであり、参加者は新型コロナウイルスが子どもに及ぼす影響などについて情報共有した。【野呂賢治】

 集会では山梨厚生病院小児科の池田久剛診療部長が「新型コロナ禍における子どもたちの健康」と題して講演した。池田氏は国内外のデータを引用しながら、子どもは成人に比べ感染しにくく、教育現場よりも家庭内で感染する傾向が高いことや、コロナの影響で日本脳炎や麻疹・風疹ワクチンの接種率が下がっていることなどを紹介。子どもが受ける心身のストレスや学習の遅れなど学校閉鎖に伴うデメリットが大きいことも示し、「正しく恐れることが大切」と説いた。

 その後、小児科医や小中学校の養護教諭、児童養護施設職員ら7人が講師となり、それぞれの現場での子どもを取り巻くコロナ禍の現状を説明した。山梨小児歯科研究会の宮沢裕夫理事は自粛生活で在宅時間が増えたことなどから「コロナ虫歯」が増えている危険性を指摘し「子どもの虫歯は重症化しやすいので気をつけてほしい」と話した。

 山懸会長は「新型コロナウイルスは人によって症状が大きく異なる。大変な病気に違いないが、感染症法の『虚』を突いたようなウイルスとも言える。いろいろなことが分かってきているので、情報を正しく認識して対策をしていきたい」と締めくくった。