2020年6月3日
CNN.co.jp
(CNN)米コロラド州立大学の研究チームは、世界一きれいな空気を南極大陸周辺の南氷洋上空で発見したと発表した。
研究チームは南氷洋上空で、大気浮遊微生物(バイオエアロゾル)の成分に関する初の調査を実施した。その結果、人間の活動によって発生する粒子状物質が存在しない大気の領域が見つかったとしている。
世界中で気候変動が進む中、人間の活動によって変化していない大気を探すことは、ますます難しくなっていた。
しかし研究チームは、南氷洋の上空であれば人間の活動の影響を受けにくく、大陸からの粉塵(ふんじん)も届きにくいと推定。南氷洋上空の下層雲を形成する大気境界層を調べた結果、大気汚染の原因となるエアロゾル粒子が存在していないことが分かった。
こうしたエアロゾル粒子は、化石燃料の燃焼や耕作、肥料生産、排水廃棄といった人間の活動によって発生したり、大陸から運ばれてきたりして、大気汚染の原因となる。
研究チームはオーストラリア南部のタスマニア島から南極大陸へ向かう調査船上で海洋と直接接する大気を採集し、大気中の微生物を診断に使う方法で、大気の成分を分析した。
「南氷洋は、人の活動によって最小限の影響しか受けていない地球上でも極めて数少ない場所の1つ」と研究チームは形容している。この研究結果は1日の米科学アカデミー紀要に発表された。