秋田のナマハゲ一変 家に上がらず、静かに「親の言うごと聞いてるが」

2021年1月1日

毎日新聞

 秋田県男鹿市の各地で12月31日夜、伝統のナマハゲ行事があった。うなり声を上げて練り歩き、子供を抱きかかえたり家々を回ったりする姿が知られているが、今回は新型コロナウイルスの影響で半数以上の地区が中止に。それ以外も大声を出さず家に上がらないなど、対策を講じたうえでの実施となった。

 男鹿市船川港の南平沢地区では31日午後5時半ごろ、雪が降りしきる中で6匹のナマハゲが雄たけびを上げながら地元の神社を出発した。

 ただ町内会の取り決めで、大声はここまで。さらに、玄関の中には入らない▽子供には触れない▽事前にナマハゲが入ってもいいかを尋ねる「袋持ち」が消毒液を携帯――などの対策をしたうえで、3組に分かれて約90世帯を回った。

 「親の言うごと聞いてるが」と子供に問い詰める場面や「ババ、まめでだが(元気だったか)」といった会話も、距離を意識。地区のナマハゲ行事を担う「平沢ナマハゲ神平会」会長の佐藤成満さん(58)は「静かすぎて、他の組がどこにいるかわがらねぇな」と戸惑った。

 男鹿市は各町内会に対し、訪問は短時間にして相手と一定の距離を保つなどナマハゲ行事のガイドラインを提示。12月28日時点で、ナマハゲ行事を過去3年間に実施した93町内会のうち48町内会が、対策が十分にとれないなどの理由で中止を決めていた。

 南平沢町内会長の佐藤繁信さん(78)は「みんなが楽しみに待っている行事。コロナ禍でも、何とかできてよかった」。来訪を心待ちにしていた吉田忠直さん(63)も「だんだんと声が近づいてきて、今年も来たなと思った。例年と違うのは少し寂しいが、姿を見られてうれしい」と笑顔を見せた。

 佐藤成満さんは少子化の影響で途絶えそうだった地区のナマハゲ行事の存続に尽力しており「次回こそ、大声を出して暴れる本来のナマハゲをやりたい」と力を込めた。【猪森万里夏】

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