2020年興収1位は『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』 – 邦画興収年間ベストテン

2020年12月31日 7時7分 

シネマトゥデイ

 2020年邦画興行収入の上位10作品が文化通信社より発表され、社会現象を巻き起こした『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』が年間ナンバーワンに輝いた。洋画ナンバーワンだった『アナと雪の女王2』(133億7,000万円)と比較しても圧倒的で、洋邦合わせた年間総合ランキングでも、文句なしのナンバーワンとなっている(集計期間は2019年冬~2020年冬。文中の興収は一部推定)。

 10月16日に初日を迎えた同作は、全国403の映画館で公開。初日から3日間で動員342万493人、興収46億2,311万7,450円を記録。その後も勢いはとどまることなく、興行通信社発表の全国映画動員ランキングで11週連続1位を獲得中。公開73日間で動員2,404万9,907人、興収324億7,889万5,850円となり、宮崎駿監督の『千と千尋の神隠し』(316億8,000円)を超えて国内の歴代興収1位に立った。

 西森博之の大ヒットコミックを福田雄一監督が実写化したドラマの劇場版『今日から俺は!!劇場版』が2位にランクイン。7月17日に初日を迎えた同作は、全国359館で上映を開始。初日から3日間で動員60万5,000人、興収7億8,800万円をあげ、3週連続で全国映画動員ランキングでナンバーワン。10週連続でベストテン入りを果たした。配給元の東宝が初日に行った調査によると男女比は40:60。10代からシニアまで幅広い層を集客。ジブリ作品のリバイバル上映同様、コロナ禍での営業自粛要請から営業を再開したばかりの映画館に人を呼び戻すきっかけの作品となった。

 そして『今日から俺は!!劇場版』と一緒に夏映画を支えたのが、長澤まさみ主演の人気シリーズの新作『コンフィデンスマンJP プリンセス編』だ。7月23日金曜日に初日を迎えた同作は、初日から4日間で動員64万8,000人、興収9億1,200万円。『今日から俺は!!劇場版』が上位にいたため、最高位は2位どまりだったが、7週連続でベストテン入り。最終興収38億4,000万円を記録し、邦画興収ランキングで3位となった。

 今年も東宝作品の強さが目立ち、東宝・アニプレックスの共同配給作品となる『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』を含めると7本がランク入り。そして松竹が2本、アニプレックス(共同配給作品含む)がそれぞれ2本という結果になった。

 2021年は『シン・エヴァンゲリオン劇場版』『名探偵コナン 緋色の弾丸』『るろうに剣心 最終章 The Final』『るろうに剣心 最終章 The Beginning』など、公開延期となっていた強力作が公開予定。さらに細田守監督の『竜とそばかすの姫』なども話題になりそうだ。(取材・文:壬生智裕)

【2020年邦画作品別興収 上位10本】(最終興収の数字は一部推定)
1:『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』302億8,000万円(12月13日時点/※12月28日時点では約324億7,900万円)
2:『今日から俺は!!劇場版』53億7,000万円
3:『コンフィデンスマンJP プリンセス編』38億4,000万円
4:『映画ドラえもん のび太の新恐竜』33億5,000万円
5:『事故物件 恐い間取り』23億5,000万円
6:『糸』22億4,000万円
7:『劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン』21億円~
8:『カイジ ファイナルゲーム』20億6,000万円
9:『劇場版「Fate / stay night [Heaven’s Feel] III.spring song」』19億5,000万円(12月上旬時点)
10:『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ヒーローズ:ライジング』17億9,000万円

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