アイスクリーム頭痛のメカニズム 実は未解明…2つの有力な説とは

2020年12月30日

まいどなニュース

 冷たいものを急いで食べると、頭がキーンと痛くなることは、皆さんご経験があるでしょう。これは「アイスクリーム頭痛」という正式な医学用語として認められています。

 そのメカニズムはまだはっきりとは解明されておらず、2つの有力な説があります。ひとつは、冷たい物が喉を通過することにより、喉にある三叉神経が刺激され、この時に発生する伝達信号を脳が冷たさを痛みと勘違いする、「痛覚神経の混線」で頭痛が起きる。2つ目は、冷たい物を食べると急に口の中や喉が冷えてしまうため、体温が下がるのを防ごうとして一時的に血流量が増し、同時に脳やその周辺の血管も広がることで頭痛が起きるという、いわゆる片頭痛と同じ原因です。

 現在は、このふたつのメカニズムの両方が原因となって『アイスクリーム頭痛』が起きると考えられています。痛みの強さには個人差があるようですが。

 このアイスクリーム頭痛に関しては、じつに多くの研究論文が発表されています。9千人の中学生を調べて、アイスクリーム頭痛が40%にみられ、女子より男子生徒に多く、片頭痛をもつ生徒に高頻度にみられたとか、145人の中学生に100mlのアイスクリームを食べさせ、5秒以内で食べた場合27%で頭痛を認めたのに対し,ゆっくり食べたら頭痛は13%だったとか、アイスクリーム頭痛は群発頭痛をもつ患者に多くみられるとする論文や、逆に少ないという報告もあります。

 「探偵!ナイトスクープ」というテレビ番組で、足湯をしながら冷たいものを食べると頭痛が起きないことが検証されていましたが、足湯をすることで痛覚の混線が起こらず、関連痛が起きなくなるとしか説明のしようがありません。

◆松本 浩彦 芦屋市・松本クリニック院長。内科・外科をはじめ「ホーム・ドクター」家庭の総合医を実践している。同志社大学客員教授、日本臍帯プラセンタ学会会長。

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