2020年11月11日
withnews
Twitterが11日から、24時間で投稿が消える新機能「フリート(Fleets)」を導入しました。日本のアカウントに順次、実装されていきます。似た機能は、InstagramのStoriesが有名ですが、Twitterが導入したのはなぜか。担当者を取材すると、「『意味のあること、役に立つことをつぶやかなくては』という人が増えてきた」というTwitter自体の使い方の変化が背景にあることが分かりました。(withnews編集部・丹治翔)
24時間で消える投稿「利用者が使いやすい」
つかの間、はかないを意味するfleetingが由来のフリートは、スマートフォン、PCどちらにも対応。スマホアプリの場合、タイムラインの最上部にインスタのストーリーと同様、+マークの付いた自身のアイコンが現れ、押すとフリートの機能が立ち上がります。
フリートでは動画や写真、テキストのほかに、ツイートも共有することができ、投稿は24時間後に消えます。他のユーザーは、フリートに絵文字やメッセージを送ることはできますが(DMを開放している場合)、リツイートのような拡散をさせる機能はありません。
新機能のフォーマットについては、「様々なデザインをテストして、利用者にとって一番使いやすい形を選んだ」と広報担当者。ブラジル、イタリア、インド、韓国の4カ国でテストし、正式に実装されるのは日本が初めてとなります。
日常ツイートがしづらくなった
「今は『渋谷なう』というような日常のツイートが、しにくくなっている声を聞きます」
こう解説するのは、Twitter Japanでユーザーの動向を調べている山内清稔さんです。アカウントが、趣味や特定の分野に関することを発信している場合、「日常をつぶやいて、フォロワーのタイムラインを乱したくない。みんなが読みたがっていることを発信しなければ、という意識のユーザーが多い」と山内さん。その結果、自分の生活や、日常のふとしたことがツイートしにくくなっていると分析します。
こうした課題に対して「新しい自己表現の場所」として開発されたフリート。実装にあたってのテストで、利用傾向が日本と似ている韓国のユーザーからは「ツイートは趣味や興味のあるものについて、日常に関することはフリートで、と使い分けできる」といった感想があがったそうです。
「ようやくか」と思われても
24時間で消える投稿機能は、他のSNSが先行しています。広報担当者は「『このタイミングでようやくか』と思われるかもしれませんが、Twitterにとっては、より気軽に、自分の思いを伝える意味のある機能だと考えています」。フリートについては今後、ユーザーの声を聞きながら、進化させていきたいとしています。