2020年10月12日
朝日新聞デジタル
新型コロナウイルスが人の皮膚にくっついた場合、9時間程度は感染力を維持できると京都府立医大の研究チームが発表した。
インフルエンザウイルスと比べると5倍ほどの「寿命」だった。研究チームはウイルスがついた手で目や口、鼻をさわることで接触感染するのを避けるため、手指消毒が大切だと指摘している。
研究成果が米医学誌「クリニカル・インフェクシャス・ディジージーズ」(https://doi.org/10.1093/cid/ciaa1517)で公表された。
新型コロナウイルスは、プラスチックや金属の表面で2、3日は感染力を保つという実験結果がある。ただ、人の皮膚の表面にくっついたときにどれほどの「寿命」があるかはわかっていなかった。
チームは、医学研究のために献体された遺体の皮膚に、インフルエンザウイルスと新型コロナウイルスそれぞれ約10万個をくっつけ、ウイルス量の変化を調べた。
献体の皮膚は、生きている人の皮膚と同じ状態を維持していることを、インフルエンザウイルスを使った別の実験で確かめた。
すると、ウイルスが検出できなくなるまでの時間は、インフルエンザウイルスは1~2時間(中央値1・8時間)だったのに対し、新型コロナウイルスは6~11時間(同9時間)だった。