カニが丸ごと!?ドムドムの伝説のバーガーが復活!!コロナ禍の今だからこそ…新店にかけた深い思い

2020年9月19日

まいどなニュース

 カニが、まさかの丸々1匹香ばしく揚げられて、バンズに挟まれて、何なら旗まで持ってる?!しかも一口ほおばれば、じゅわっと濃厚…。そんなビジュアルも味も、何なら値段も一級品のドムドムバーガー「丸ごと!!カニバーガー」が19日、約1年ぶりに復活したと話題を集めています。この日の浅草花やしき店オープンに併せたものですが、そこには社員たちの熱い熱い思いが詰まっていました。

 カニバーガーは、昨年10月に期間限定で発売。1万食限定でしたが、ネットのみならずテレビなどでも取り上げられて大反響を呼び、店舗によっては1日70食ぐらい売れ、在庫分がすぐ完売した店舗が続出。今回も再販を前に、優しく衣付けされて、アツアツの油でこんがり揚げられるカニを公式ツイッターで紹介したところ、瞬く間に3万以上のいいねが付き、トレンドにも入りました。

 でも、そもそもなぜカニを、しかも丸ごと揚げて挟んでしまおうなんて荒技に出たのでしょう。美味しそうな半面、高級食材であるソフトシェルクラブの原料調達から価格まで、反対はなかったのでしょうか。

 商品開発担当の浅田さんは、「きっかけは、ソフトシェルクラブをを丸ごと揚げてドムドムハンバーガーのロゴ入りの白旗をハサミに持たせたらインパクトがあるよな、といった見た目での思い付きが開発のスタートでした」と、まずは見た目重視だったと明かします。

 そこから味付けや調理工程を組み立て、社内でプレゼンした際には、他の社員から「すごい!」といった感嘆の声が多く上がったといい、「その声を聴いてコレは売れると確信した」と振り返ります。

とはいえ、やはり見た目のインパクトが強すぎることや、1000円近い価格帯に賛否両論が。それでも、ドムドムハンバーガーでは、これまでインパクトと味を両立したメニューをいくつも販売している実績があったことで最終的に販売に至ったといいます。

 運良く食べられた人にも、食べられなかった人にも、大きな余韻を残したカニバーガー。ですが終売から約4カ月後、事態は大きく揺れ動きます。

 実はドムドムバーガーは今年50周年の記念の年。「日本最古のハンバーガーショップ」として、同じく「Born in Japan」という共通の価値観を持つ「日本最古の遊園地」、浅草花やしき遊園とコラボして、ゴールデンウイークに記念イベントを開催する予定でしたが、コロナ禍で中止に。それでも「最高のコラボを無にすべきではない」と同遊園地への出店を決めたという。

 藤粼忍社長は「当社では近年『美味しいこと・楽しいこと』をチャレンジして参りました。その私たちにとって、浅草花やしき遊園は、この上ないパートナー。日本有数の観光地である浅草、知名度の高い『花やしき』での出店は、全国から出店のご要望を頂いているお客様のお声にお応えし、同時に訪日外国客の皆様へ『Born in Japan』のバーガーショップ「ドムドムハンバーガー」をアピールできると考えました」と話します。

 一方でその浅草は、現在、コロナ禍で国内旅行・インバウンドの激減により大変厳しい状況に陥っています。「でも、この状況下だからこそ、今回の出店は浅草・東京・日本の復興を共に創り上げられる社会的意義も大きい」と藤粼社長。「観光業も外食産業も大変厳しい状況での出店は困難に遭遇する事もあるかと思いますし、正直慎重論もありましたが、それ以上に社会とのつながりを再認識し、会社としての想いを明確にする機会になった」と言います。

 ドムドムにとっても、2018年2月の姫路広畑店以来、実に2年半ぶりの新規出店。「閉塞感を払しょくし、ドムドムハンバーガーの元気と勇気を伝えられたら」と藤粼社長。思いのこもった店の出発を飾るにはカニバーガーしかない、と再販もすんなり決まったそうです。世の中の先行きへの不安はぬぐえませんが、それでも美味しく、楽しく、笑っていこう―。藤粼社長は「お客様の笑顔をもとめて、最善を尽くしたいと思います」と力を込めました。

 丸ごと!!カニバーガーは税込み990円。浅草花やしき店では、カニさんが持っている旗も同店オリジナルロゴになるそうですよ!

(まいどなニュース・広畑 千春)