タピるよりも「すうとろ」 伝統を超えた新食感の正体は

2020年6月26日

朝日新聞デジタル

 カップに太いストロー、一見すると、タピオカドリンク? 実はこれ、とろろ飯。

 三重県菰野町の自然薯(じねんじょ)料理店「茶茶」が、テイクアウト用に販売を始めたメニューだ。商品名は吸って飲むので、「すうとろ」。コロナ禍に負けまいと、伝統料理のイメージを払拭(ふっしょく)して開発した。

 「女性を中心に人気のタピオカを意識しました」。こう明かすのは、茶茶専務の伊藤勝美さん(49)だ。すりおろした自然薯をだし汁で伸ばしたとろろに合わせるのは、店で出しているコメと「押し麦」のご飯ではなく、プチプチ感が強い「もち麦」100%。トッピングとして加えたのりとたくあんが、味と食感のアクセントになっている。

 茶茶は5月20日まで1カ月間、臨時休業した。再開しても、すぐには客足は戻らないだろうと考え、テイクアウト商品の開発に踏み切った。伊藤さんは「伝統を大切にしてきたので、こんな事態でなければ、とても思いつかなかった。私たちにも新しい生活様式に対応した新しい商品が必要」と話す。

 すうとろは500円(税別)。コロッケなどとのセット商品も用意している。問い合わせは茶茶(059・394・3466)。(黄茢)