「あっ、熱画像カメラに下着まで映ってる…」

2020年7月5日

朝鮮日報

 6月16日、釜山のある総合病院を訪れた主婦のキムさん(40)は、熱画像カメラに映った姿(写真)を見てぎょっとした。薄手のワンピースを透かして下着の輪郭がはっきりとモニターに現れていたからだ。キムさんは「考えなしに通り過ぎていて、すごく驚いた」とし「男性職員がモニターを見守っていて、裸を見られたような羞恥心から慌てて抜け出してきた」と語った。

 コロナ防疫を理由に建物の入り口に設置してある熱映像カメラが、早くも到来した暑さの中で物議を醸している。薄着になることで、一部の熱画像カメラが下着の輪郭まで感知し、モニター画面に表示してしまうという困ったことが起きているからだ。とりわけ女性の場合、下着のスタイルによってはビキニを着ているかのように映ることもあり「プライバシーの侵害ではないか」という反応も見られる。

 6月初めから生徒が夏服を着用し始めた忠清南道天安のある高校でも、騒動になる一幕があった。夏服の素材が薄いせいで、一部の女子生徒の足のラインが映るということが起きたのだ。同校のA教師(30)は「モニターで発熱者がいるかどうか監視していて問題を発見し、あたふたと対応に乗り出した」とし「業者に問い合わせて、一般の監視カメラのようにリアルタイム映像で映していたのを、頭の上に体温だけが表示される形式に変えた」と説明した。

 一部の女性は、真夏に上着を用意するという状況にまでなっている。延世大学図書館を毎日利用する就職準備生のイムさん(31)がそうだ。イムさんは、モニターに映る姿を見た後、上着を用意して外出している。イムさんは「熱画像カメラが設置されている出入り口を通るたび、ジャケットを着て身をすくめて通り抜ける」とし「コロナがあるので防疫に協力しないといけないが、不快なのは事実」と語った。

 熱画像カメラ業者は、人によって異なる身体的特性によって生じる問題だと釈明した。リース会社代表のパクさん(51)は「熱画像カメラは、ほかの部位より体温が高い部分と低い部分を感知して表示するという原理」だとして「身体的な特性によっては、一部デリケートな部分がよりはっきりと見える人もいるが、全ての人がそういうわけではない」と説明し、さらに「不快感を覚える市民が多いのであれば、体温だけを表示する形式に画面設定を変えるという方法もある」と付け加えた。