2020年6月6日
朝日新聞デジタル
関西人にはおなじみのラムネ菓子「ミニコーラ」と「ミニサワー」がアイスになって登場した。
40年以上の歴史がある駄菓子がアイスになったきっかけは、8歳の女の子の「お願い」だった――。
ミニコーラは、オリオン(大阪市淀川区)が1978年から販売している看板商品だ。コーラのほか、サワーやピーチ、グレープなどさまざまな味がシリーズ化されている。
今回、アイスにすることを提案したのは、アイスクリームなどの製造販売を手がける「セリア・ロイル」(福岡県朝倉市)だ。これまでも人気菓子「チロルチョコ」をアイスにするなど、他企業の商品とのコラボで実績がある。
オリオンとのコラボに乗り出したのは2018年夏。セリア社の営業担当社員の娘(当時8)が父にせがんだ。「大好きなミニコーラのアイスが食べたい」「絶対おいしいよ」
40年以上の根強い人気を誇るラムネ菓子をアイスにすれば、ヒットするはずだ――。そう予感した社員は大阪へ向かい、オリオンに飛び込み営業をかけた。突然の提案だったが、「子どものお願い」という経緯を知ったオリオン側も快諾した。
かき氷部分はコーラとサワーの味や色を再現し、そこにラムネ菓子をちりばめた。同年冬、試作品を関西の大学生に試食してもらったところ、「さわやかな味でなんぼでも食べられる。夏とか最高」と太鼓判を押されたという。
昨年の試験販売でも好評で、今年はいよいよ全国的に本格販売することに。6月1日(一部地域は5月末)から各地のスーパーなどで売られている。「ミニコーラ氷」「ミニサワー氷」の2種類で、容器もオリジナルそっくりだ。希望小売価格は140円(税別)。
オリオンで商品企画を担当する高岡五郎常務(65)は「子どもの夢をかなえるのが駄菓子屋の務め。ラムネのアイスで暑さを乗り切ってほしい」と話す。(関宏美)