2020年4月20日
朝日新聞デジタル
不二家の店頭に設置されている「ペコちゃん人形」。
名古屋市の店舗では今月中旬から、その口元にマスクがつけられています。京都府のフランチャイズから始まったという取り組みについて取材しました。
1950年に不二家の店頭人形としてデビューしたペコちゃん。子牛の愛称「べこ」を西洋風にアレンジした名前で、ペロッと出した舌が特徴の「永遠の6歳」です。2009年には店頭から盗まれる事件が相次いで話題になったこともあります。
そんなペコちゃん人形の口元にマスクが取り付けられているのが、名古屋市名東区にある不二家猪高車庫前店。従業員がペコちゃんの衣装の予備を使って作ったものです。17日は開店直後から親子連れが訪れ、子どもたちが珍しそうに眺めていました。
本社の店舗運営部によると、もともとはフランチャイズの丹後与謝店(京都府与謝野町)のオーナーが「ペコちゃんもマスクをした方がよいのでは」と独自に始めた取り組みだといいます。
商品の包装紙を使って手作りしたところ、「マスクを嫌がる子どもたちも喜んでつけそう」などと評判になり、他の店にも広がっているそうです。
不二家の2代目社長・藤井誠司氏が「道行く人をなんとか笑顔にできる方法はないか」と考案したペコちゃん人形。そんな「看板娘」にマスクをつけることについて、店舗運営部の金田剛部長はこう話します。
「新型コロナウイルス関連のニュースが毎日飛び交い、不安な気持ちになりがちです。ペコちゃんがマスクをすることで、お子さま連れのお客様たちの間で『ペコちゃんがマスクしてる! 僕も私もマスクしよう』などの会話が生まれ、皆さんを笑顔にできたらと思っています」(若松真平)