2021年8月1日
朝日新聞デジタル
トヨタ自動車は、1960年に発売したスポーツ用多目的車(SUV)ランドクルーザーの「40系」の修理用部品を復刻し、来年から再販売する。
ランクル誕生70周年となった1日、発表した。40系は発売から60年以上たった今も世界各地で活躍しており、ユーザーの声に応える。
■伝説の名車、世界で100万台販売
ランクルは51年8月1日に「トヨタジープBJ型」として誕生し、54年に「陸の巡洋艦」を意味する現在の名前になった。55年発売の2代目「20系」に続き、3代目として60年に登場したのが40系だ。
日本国内で生産されたが、耐久性と悪路走破性の高さが世界各国で評価され、「どこへでも行き、生きて帰ってくる」というランクルの名声を確立した伝説の名車といわれる。次世代の「70系」が出る84年までの約24年間にわたって生産され、世界で計約100万台売れた。
壊れにくく修理がしやすいため、世界中で数万台が今も現役で活躍しているという。しかし、発売から60年以上がたち、修理用の部品が欠品するケースが出ており、ユーザーから「もう乗れなくなる」と心配する声がトヨタに寄せられていた。
■まずは基本的な重要部品を復刻
トヨタは「安心して安全に愛車に乗ってほしい」として、40系の部品の復刻を決定。ユーザーから要望を聞き取ってきた。まずは、エンジンや駆動系といった基本性能に関わる重要部品を復刻する予定。来年初頭以降、生産の準備が整った部品から順次発売する。
トヨタは特設サイト(https://toyota.jp/cmpnform/pub/jp/landcruiser_form_jp)で、復刻してほしい部品についての要望を受け付ける。今後は、40系以降に発売したランクルの修理用部品の復刻も検討する。
2007~19年にランドクルーザーの開発責任者を務め、今回の部品復刻を担当するトヨタの小鑓貞嘉(こやり・さだよし)主査は、「40系は、最後に命をかけるには、これしかない、という持ち味を純粋に表現できた車。壊れない、直しやすい、という単純な機能だが、そんな車が世界に受け入れられた証し」と話した。