2020年7月7日
キャリコネニュース
「フルタイム勤務の正社員、残業は基本的になし」と聞けば、恵まれた労働環境のように聞こえるが、実はそれでも働きすぎかもしれない。ガールズちゃんねるに先月末、「フルタイムで働くのきつくないですか?」というトピックが立った。トピ主は正社員で11時半から20時半まで週5日働いており、基本的に残業はないという。帰宅は21時半くらいでそこから風呂と食事の後いつのまにか寝てしまい、気づけばアラームが鳴って出社という日々だ。
独身で夢や目標もないが、ニートは親が心配するため働いてるというトピ主。
「毎日8時間働くのがきついです。誰が決めたのでしょうか。週休3日ほしいです。それか1日6時間労働でもいい…でも今と同じ給料が欲しい…笑」
と願望を並べると、共感の声が相次いだ。(文:okei)
「こんな働いてどうするんだろうって思うよね」
ともすれば甘えと捉えかねない願望だが、反応は「きついよね。休日はほぼ寝て過ごしてる」「まじで週3が限界」など、心身ともに疲弊した人が様々な声を寄せている。
「百貨店勤務です。朝起きて家事して出勤して帰宅して家事して寝るのはいつも1時過ぎです…しんどい」
「わかるよ、めっちゃわかる。こんな働いてどうするんだろうって思うよね。せめて週休3日ほしい」
などのほか、「正社員フルタイム+残業だったときは辛かった…」と書いた人は、「結婚して辞めてからは何故あんなに頑張れていたのか不思議です」と働き過ぎを振り返った。8時間より長く働いている人も多く、「さすがに体調崩して辞めたよ」という声も。通勤時間を入れると仕事に費やす時間は8時間では済まないのだから無理もない。
また、「子供のために働いてるはずなのに、大事な子供との時間は平日ほぼない。こんなんでいいのかなぁーって、いつも頭の片隅にある」と家族との関係に悩む人や、「寝てるとき以外ずっと眠い」「寝不足で肌荒れがすごいです」など、心身の不調を訴える人も目立った。
「フルタイムで働いてやっと、人間らしい生活の最低限の給与しか貰えない」
一方で、フルタイム勤務は「男は一生だよ」という指摘や、「家庭ありならキツだろうけど」と独身を軽視する声もわずかにあった。しかし男女も既婚未婚も関係ない。日本人はそもそも働き過ぎだ。
経済評論家の勝間和代さんは自身のYou Tubeチャンネルで、「必要な睡眠と運動から考えると、8時間労働だって長すぎる」と持論を展開している。毎日の睡眠時間を8時間、運動2~3時間を推奨しており、
「働く時間は6~7時間にして、残りの時間は自分で食事をつくる、家をきれいにする、家族との団らん、友人との付き合いなど、人間としてのメンテナンスをするための時間にあてていく」
べきだという。 自身は労働時間を3時間に抑えており、くたくたになるまで働いても6時間まで。集中して成果を出そうと思うとそのくらいだと説いていた。
確かにトピックの書き込みを考えると、人間らしい生活には睡眠や住まい、人間関係を整える必要があると痛感する。勝間さんは3時間労働に至るまでに相当な努力や経験を重ねてきただろうし、単なる勤め人には簡単に真似できないが、トピ主の願望は甘えなどではないと言えそうだ。
トピックには、「フルタイムで働いてやっと、人間らしい生活の最低限の給与しか貰えないってしんどすぎる」など収入の低さを嘆く声もあった。最低賃金で働く人も多い中、時短にすると生活ができなくなるのも辛い。せめて経営者や自営業の方々は、短い時間で高い成果が出る働き方、働かせ方を目指して欲しい。