端末修理「市が負担して」=タブレット破損、保護者から懸念

2021年5月3日

時事通信社

 児童生徒に配布されるタブレットなどの情報端末を破損した場合、修理代を負担する可能性があることに、保護者からは「シングルマザーや低所得家庭は困る」「市が負担してほしい」などの声が出ている。

 小学4年の子を持つ愛知県豊田市の主婦(34)は、学校から保険への加入を勧められた。しかし高温の車内に置きっ放しにした場合などは適用されないと聞き、「いつどんなときに壊れるか分からない。本当に自分の子が原因なのか、判断は難しいのでは」と懸念が拭えない。

 3人の小中学生を育てる千葉県習志野市のパート女性(38)は、投げ付けるなど故意でなければ破損は4万5000円を上限に補償すると説明を受けた。しかし、女性は「子どもなんて壊すに決まっている。勝手に配って、壊れたら修理は親が負担ならいらない」と手厳しい。

 中3と小6の子どもがいる岐阜県関市のパート女性(47)は、学校から保険加入についてのプリントをもらった。必要と思ったものの、「年間数千円でも2人分だと結構な出費。市が負担してくれればありがたい」とこぼす。

 GIGAスクール構想を所管する文部科学省の担当者は「自治体に任せているが、ガラスなどの備品と同じで、故意による破損は仕方ない。ただ、過失は今後見ていく必要がある」と話している。