河合郁人、セクゾ… 話芸で勝負するジャニーズすべらない軍団が台頭

2021年2月1日

NEWSポストセブン

 昨今、バラエティー番組に出演し、話芸で視聴者を魅了するジャニーズメンバーが増えている。放送作家でコラムニストの山田美保子さんが、コロナ禍を笑いに変え、「かっこよくて面白い」を体現するジャニーズの“すべらない軍団”について分析する。

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 A.B.C-Zの河合郁人クン(33才)が「見ない日はない」ほど売れています。ご本人いわく、「これまでで、もっとも忙しくさせていただいています」。大きなきっかけとなったのは、昨春オンエアされた『ものまねグランプリ 次世代ものまね芸人&歌ものまねNo.1決定戦』(日本テレビ系)での準優勝。河合クンの“ジャニーズものまね”はファンの皆さんの間ではすでに超有名だったものの、芸人さんだらけの番組にジャニーズのタレントさんが出演することは、かなりのハードルを乗り越えなければならなかったかと思います。

 でも、演出の徳永清孝さんがFacebookで明かしたのは、『夜もヒッパレ』(同)のAD時代、稽古のために訪れたリハーサル室で「人懐っこいジャニーズJr.が声をかけてきてくれて仲よくなった」。それが河合クンであり、以来20年近くも親交を続けてきて、ついに徳永さんが演出する番組からオファー。やっと出演が叶い、河合クンも見事に期待に応えたのでした。

 念願のコメンテーター仕事も、ほぼ同時に決まり、『ゴゴスマ』(CBC制作・TBS系)のスタジオに座り、コーナーまで持つ河合クンの姿に、「やっと売れたんだと涙した」とは某スポーツ紙のジャニ担男性記者。さらに、「名前と顔を覚えてもらえるように」と出演時は毎回、メンバーカラーの紫に「郁人」のイニシャル“F”のワッペンを付けるようにとアドバイスをしていたのは制作会社「オフィスぼくら」の本間正幸さんでした。

 約2年、これを100%守り抜いた河合クンが、いまは違う色の衣装で出演できていることが“出世”の証。あのダウンタウン松本人志サン(57才)も、ほかの事務所の人がやったら笑っていいものかどうか迷う“ジャニーズいじり”を「内部から緩和させていってる」「ジャニーズ(事務所)にとってはすごくいいと思う」と河合クンを高く評価されていました。長年応援してきた私にとってもうれしい日々です。

 そういえば河合クンの話芸の高さについては、2014年、『テレ朝SMAPバラエティ部スマシプ!』(テレビ朝日系)にて、ジャニーズJr.が中居正広クン(48才)相手に切々と語ったことが(笑い)。

 その中居クンの話芸は、ファンのみならず芸能人全員が認めていると言っても過言ではありませんよね。『中居正広の金曜日のスマイルたちへ』(TBS系)をはじめ、出演者が多い番組を仕切るのが本当にお上手。そうかと思えば、『めちゃ×2イケてるッ!』(フジテレビ系)の特別企画『中居&ナイナイの日本一周〇〇の旅』では、芸人の中でもっとも動くと評判のナインティナイン岡村隆史サン(50才)以上に体を張ったり、動いたり、走りまくる姿が印象的でした。中居クン級のタレントさんにあれをやられてしまったら、後輩たちはもっと頑張らねばと思うに決まっていますよね。

 最近ちょっと意外な一面を見せてくれているのは、Sexy Zoneの菊池風磨クン(25才)。ドッキリクリエイターとして出演している『芸能人が本気で考えた!ドッキリGP』(同)がきっかけですが、これまではクールなイメージを崩さなかった風磨クンが全裸になったり、泥まみれになったりするので驚かされています。

 というのも、デビュー直後、私が構成に入っていた『超潜入!リアルスコープ』(同)に出てくれていた頃は、風磨クンだけがまったく言葉を発せず、収録が終わってしまうという日も少なくなかったからです。

 これについては風磨クンもたいへん気にしていたそうで、後日談が『行列のできる法律相談所』(日本テレビ系)で明かされました。無愛想で無口だったのは「17才で反抗期だったから」だとか(苦笑)。「(リアルスコープのMCだった)フットボールアワーの後藤輝基サン(46才)に絶対嫌われてる」とも思っていたそうです。が、“行列”の後藤サンは「逆にそれを面白がって」と回顧。“関係者”の私もホッと胸をなでおろした次第です。

 Sexy Zoneでは、「セクシーサンキュー」でおなじみの中島健人クン(26才)がグループ全体の“話芸”を牽引してきたことは間違いありませんが、“顔面人間国宝”の筆頭、佐藤勝利クン(24才)のトークのセンスも業界関係者から高く評価されているのです。

 圧倒的に話芸が磨かれたのは“3人”で活動していた時期。ケンティや風磨クンをつなぎ、双方の“暴走気味なトーク”に対し、静かに、しかし、漏れなく完璧なツッコミを入れていたのは実は勝利クンでした。『VS魂』(フジテレビ系)のレギュラーとして華麗に体を張る姿にもキュンとしちゃいます。

 グループ全員の話芸に評価が集まっているのはKing & Prince。天然あり、関西弁ありというのが強いです。もちろん、Kinki Kids、関ジャニ∞、ジャニーズWEST、なにわ男子、Aぇ!group、Lil かんさい……と、ジャニーズ関西勢のメンバーそれぞれの話芸は最強ですし、役割分担も完璧。ここを掘り下げるにはページが足りないので、また次の機会に書かせていただければと思います。

バラエティー番組から国民的アイドルとなったSMAP

 そして忘れちゃならないのがKis-My-Ft2です。彼らが恵まれているのは、デビュー年からずっとバラエティーの冠レギュラーを持っているところ。それも、グループ全員では、キャイ~ンから始まって、劇団ひとりサン(43才)、“バラエティーのいろは”を叩き込んでくれた、よゐこの濱口優サン(48才)。さらには、おぎやはぎ、サンドウィッチマンら人気大物芸人と共演。個々には、特番で明石家さんまサン(65才)、爆笑問題、出川哲朗サン(56才)、そしてダウンタウン浜田雅功サン(57才)と『プレバト!!』(MBS制作・TBS系)で頻繁に共演できているメンバーもいるのですから、これは強いですよね。

『ザ少年倶楽部プレミアム』(NHKBSプレミアム)で共演中のますだおかだ岡田圭右サン(52才)からは、時折キスマイがボケすぎて叱られる場面も(笑い)。

 昨今、A.B.C-Z河合クン並みに声がかかっているのは宮田俊哉クン(32才)ですが、実は誰よりもバラエティーを愛しているのは二階堂高嗣クン(30才)。ヒロミさん(55才)にもかわいがられている二階堂クンのレベルの高い話芸、大好きです。

 何より、「なかいさん」にかわいがっていただいているキスマイは、芸能界最強の話芸を身近で習得できる。間や緩急、声の強弱のみならず、目配りまでもが完璧なのですから、本当にスゴイ人です。

 あのSMAPは、歌番組の激減により、バラエティーに活路を見出し、多くの先輩タレントからバラエティーでの作法を学び、国民的アイドルとなりました。コロナ禍、多くのエンタメが打撃を受けるなか、バラエティーでの指定席をキープするには話芸が必要となる。“話芸”が身を助けるのです!

構成/山田美保子
『踊る!さんま御殿!!』(日本テレビ系)などを手がける放送作家。コメンテーターとして『ドデスカ!』(メ~テレ)、『アップ!』(同)、『バイキングMORE』(フジテレビ系)、『サンデージャポン』(TBS系)に出演中。CM各賞の審査員も務める。

※女性セブン2021年2月11日号