鬼滅ブームの裏で泣いたドラえもん 〝両持ち〟東宝は独走一人勝ち

2020年12月6日

東スポWeb

〝鬼滅現象〟が猛威をふるっている。コミック「鬼滅の刃」最終23巻が4日、全国の書店で発売され、売り切れ続出。初版発行部数は驚異の395万部だが、それも納得の売れ行きを見せている。

 10月16日に公開された劇場版「鬼滅の刃 無限列車編」も歴代1位更新が秒読み段階に入った。

 11月28~29日の国内映画ランキングでは土日2日間で71万人を動員し、興収約10億円を記録。7週連続トップとなり、累計で興収275億円を突破した。これで「タイタニック」(1997年)の262億円を抜き、単独2位に。歴代1位の「千と千尋の神隠し」(01年)の308億円更新は確実視されている。

 一方で計算が狂ったのが、11月20日公開の映画「STAND BY ME ドラえもん2」だ。ここまでの累計は動員88万人、興収11億円を突破。十分素晴らしい数字なのだが、14年に公開された前作の最終興収(国内)が約83億8000万円だったことを踏まえると、ペースは鈍い。

「当初8月に公開予定だったが、新型コロナの影響でズレ込み『鬼滅』とカブった。昨年時点では今年のアニメ映画の大本命はドラえもん。鬼滅がここまでのブームになるとは誰も予想していなかった。結果、ファミリー層を食われてしまった感はある」(映画関係者)

 同作のキャッチコピーは「ドラ泣き」。大人も子供も泣ける仕上がりになっているそうだが、関係者によれば「公開初日から3日間の数字が目標に達せず、スタッフが〝ドラ泣き〟していた」という。さすがのドラえもんも今回ばかりは相手が悪かったか。

 とはいえ、鬼滅&ドラえもんともに配給は東宝。映画界では完全にひとり勝ち状態でウハウハ。競合他社は羨望のまなざしを送っている。