嵐に「下品な言葉」歌わせる…一部ネット民さっそく悪ふざけ 音声合成サービスの「盲点」突く

2020年9月15日

J-CASTニュース

ジャニーズのアイドルグループ「嵐」と企業13社による共同企画「HELLO NEW DREAM.PROJECT」が2020年9月14日から始動している。

プロジェクトの公式サイトには、ユーザーが自分の「夢」を入力すると、嵐がそれを歌ってくれるコンテンツも設けられた。ただ、ネット上では「下品な言葉」を嵐に歌わせるなど、本来の趣旨から外れた使い方をしている人もいるようだ。

櫻井翔「色々な言葉、色々な夢を入れながら…」

プロジェクトでは「夢だけ持ったっていいでしょ?」をキーメッセージに、嵐と日本郵便、アサヒ飲料、森永製菓などの企業13社が手を組み、様々な施策を実施していく。9月8日には東京・渋谷のSHIBUYA109に突然のメッセージ広告を展開し、注目を集めていた。

プロジェクト開始に合わせ、さっそく公式サイト上で展開しているのが「A・NA・TA for DREAM」というコンテンツ。ユーザーが自分の「夢」と「名前」を入力すると、嵐が楽曲「A・RA・SHI」のサビの中で、その言葉を歌ってくれるというものだ。コンテンツには音声合成技術を手がけるテクノスピーチ(愛知県)の歌声合成エンジンが用いられ、嵐メンバーの歌声を分析・学習させることによってリアルな歌声が再現されている。

コンテンツは、嵐の櫻井翔さんがキャスターとして出演した14日の「news zero」(日本テレビ系)でも紹介された。櫻井さんは番組内で「どんな言葉を入れても歌ってくれるので、色々な言葉、色々な夢を入れながら楽しんでいただけたら」と呼びかけていた。

10年前にも合成音声コンテンツの「不適切利用」が…

しかし、こうした櫻井さんの思いとは裏腹に、ツイッターやインターネット掲示板などでは、一部ユーザーが「不適切」とも思われる使い方をしている様子も確認できる。「下品な言葉」などを入力し、嵐に歌わせるというものだ。

櫻井さんは「news zero」の中で「どんな言葉を入れても歌ってくれる」としていた。ただ、実際にコンテンツで「下品」と思われる言葉を入力すると「無効な文字が含まれています」となり、嵐が歌ってくれないケースが発生する。下品な言葉を嵐に歌わせている人々は、問題となりそうなキーワードに手を加えるなど、システム上の「盲点」をついているとみられる。

こうした合成音声コンテンツの「不適切な利用」は今回に始まったことではない。2010年にはネスレ日本のコーヒーブランド「ネスカフェ」のCMに出演していた俳優・大沢たかおさんが、「ダバダー」というフレーズが頭に残るCMソングをバックに、ユーザーの入力した文章を「朗読」してくれるというコンテンツが公開された。しかし、一部のネットユーザーの間では、やはり下品な言葉を入力し、それを大沢さんに朗読させるという手法が流行してしまった。

悪質行為には「然るべき法的措置」も

「A・NA・TA for DREAM」の規約には以下のような記述があり、コンテンツの適切な利用を呼びかけている。

「本コンテンツにご入力いただく内容については、第三者のプライバシーや著作権、その他一切の財産的権利を侵害するものではないこと、第三者を誹謗中傷するものではないこと、選挙活動、またはこれに類する行為、その他政治もしくは宗教に関する行為、公序良俗に反する行為、犯罪行為、青少年の心身に悪影響を及ぼす行為、及び、それらの内容を含まないこと、その他本プロジェクトの運営を妨げるような行為などに抵触しないよう、あらかじめご確認いただいた上で、ご入力ください」

「本コンテンツを利用して、第三者の権利を侵害する内容、法令や公序良俗に反する内容その他不適切と本事務局が判断する内容の生成が確認された場合は、当該禁止行為をしたユーザーへの通知または同意なく、生成された音声を削除いたします。悪質な行為に対しては然るべき法的措置をとる場合がございますので、モラルを守ったコンテンツ体験をお楽しみいただけますよう、お願いいたします」