ほな!さいなら 大阪のシンボル「づぼらや」ふぐちょうちんを撤去 閉店準備で

2020年9月3日

毎日新聞

 15日に閉店する大阪・新世界の老舗フグ料理店「づぼらや」(大阪市浪速区)の立体看板「ふぐちょうちん」が、3日未明に撤去された。建物から道路へ突き出した幅などが基準を超えているとして、大阪市が撤去を求めてきた経緯があり、閉店に向けた準備とみられる。

 作業員らがクレーン車を使って、店舗の3階部分からつり下げられたちょうちん(全長5メートル、高さ3・5メートル、幅3メートル)を取り外し、トラックで大阪市内の倉庫に運び入れた。

 店舗の入り口には「長らくご愛顧いただきありがとうございました。皆様お元気で。ほな! さいなら」と書かれた垂れ幕も掲げられた。近くで居酒屋を経営する60代の男性は「新世界のシンボルだったので、なくなるのは寂しい」と話した。

 づぼらやは1920年の開業。新型コロナウイルスの影響で4月から臨時休業し、再開することなく閉店が決まった。ちょうちんは大阪の観光名物として親しまれ、閉店後の行方が注目されている。近くのレジャー施設「スパワールド」が引き取る意向を示すなど、地元での保存を求める声が上がっている。【澤俊太郎】