堂本光一、コロナ禍の舞台開幕に覚悟「また幕が開かなくなっても受け入れられる自分がいる」

2020年8月11日

サンケイスポーツ

 KinKi Kidsの堂本光一(41)が10日、東京・西池袋の東京芸術劇場で、「ミュージカル『ナイツ・テイル』inシンフォニックコンサート」の初日を迎えた。コロナ禍の影響もあり有観客舞台の出演は、2月26日まで主演した「Endless SHOCK」以来5カ月半ぶり。「今は幕を開けるより、何かあれば中止する勇気が大切」と覚悟を見せつつ、ファンの支えを糧に新たな一歩を踏み出した。

 誇り高き騎士を演じた光一がコロナ禍の演劇界を一閃。道を切り開く。

 シンフォニックコンサートは、2018年に光一が主演したミュージカル「ナイツ・テイル-騎士物語-」のナンバーをフル・オーケストラ用にアレンジ。新曲3曲を加え、ミュージカル俳優の井上芳雄(41)ら当時の共演者と東京フィルハーモニー交響楽団50人の演奏で歌唱した。巨大スクリーンに本編の映像を流し、歌唱や新たなせりふを融合。ミュージカルの世界観を再現した。

 コロナ禍での上演とあって、万全の感染対策を講じている。

 出演者は稽古前と劇場入り前にPCR検査を受診。ステージ上では2メートルの距離を確保した。楽団は東京オペラシティのガイドラインに沿って左右80センチ、前後150センチの間隔で構成。幕あいなしの約2時間公演とした。

 ただ、演劇界では同じく感染対策を徹底していた宝塚歌劇団でクラスター(感染者集団)が発生。光一の主演ミュージカル「Endless SHOCK」も2月28日~3月31日まで公演中止になっており、「もし、また幕が開かなくなっても受け入れられる自分がいる」と冷静だ。

 さらに「今は幕を開けるより、何かあれば中止する勇気が大切」とキッパリ。ジャニーズ事務所前社長の故ジャニー喜多川さんの教えを引き合いに「ショー・マスト・ゴー・オン(何があってもショーは続けなければならない)の意味合いが変わってきた」と時代の変化を柔軟に受け止める。

 それでも久々の舞台でオーケストラをバックに歌唱し「メチャクチャ気持ちいい」と感激。9月15日に大阪・梅田芸術劇場で開幕する「Endless SHOCK-Eternal-」では無観客生配信も行うが、「今後、新しいものが生まれることを期待している」と演劇界の進化に力を注いでいく。

 ◆共演・井上芳雄「希望つなげる」上白石萌音「一瞬を大切に」

 光一演じる主人公アーサイトのいとこで騎士のパラモンを演じる井上は「無事に千秋楽を迎え、実例の一つとして希望をつなげたい」と宣言。物語の鍵を握る牢番の娘役の女優、上白石萌音(22)は「初日を迎えられるか不安があった。舞台に立てない方、見に来られない方の思いを心に置いて一瞬、一瞬を大切にしたい」と約束した。13日まで東京芸術劇場で上演後、18~21日に東京・西新宿の東京オペラシティで上演する。