ジャニーズ6日連続ライブ配信レポ ファンが一体化の演出も

2020年6月26日

NEWSポストセブン

 新型コロナウイルスの感染拡大で、多くの音楽ライブが開催できなくなってしまった中、ジャニーズ事務所のアイドルたちが、6日連続でライブの有料配信を実施。その模様を放送作家の山田美保子さんがレポートする。

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 今年のオリコン上半期シングルランキングで、SixTONESとSnowManのデビュー曲『Imitation Rain/D.D.』が1位を獲得。CDが売れなくなって久しいいま、累計164.4万枚は本当に立派な数字であり、デビュー曲の上半期1位は先輩のKAT-TUN以来14年ぶりの快挙でした。

『ジャニーズカウントダウン2019-2020』を見ていても、この2組を中心に世代交代ともいうべきセットリストになっていて、東京オリパライヤーの2020年は、フレッシュ・ジャニーズが大暴れするものと信じていました。

 が、新型コロナウイルス感染拡大により、エンタメ界は、かつてないほどの大打撃を受け続けています。

 果たして2021年の帝劇や博多座の演目や、新作映画のマスコミ試写会のはがきが届くようになったのが6月の3週目。中断していた4月期ドラマの撮影が再開したり、著名な俳優さんのひとり芝居が配信されたり、「お客さんを入れての舞台をやります」と発信する座長さんがいらしたり。都からも国からも、もっとも後回しにされていた感のあるエンタメ界が力強い一歩を踏み出し始めました。

 そのタイミングで、ジャニーズ事務所さんが6月16日から6日連続で新収録のライブを有料配信。『Johnny’s World Happy LIVE with YOU』です。

 まず、タイトル! ジャニーズならではの単語が詰め込まれていて、ワクワクが止まりませんでした。

 続いて、TOKIOの国分太一クン(45才)が司会ということで、「新しい生活様式」では“諦め”しかなかった“カウコン(ジャニーズカウントダウンコンサート)”の開催を夢見ることができました。 

 配信初日、V6、嵐、King & Princeを見てまず思ったのは、プロ意識。誰も“コロナ太り”していない(笑い)。個人的に、私はV6のパフォーマンスが大好きなので、あぁ早くナマで25周年記念コンサートを見たい…という気持ちになってしまいました。つまり一瞬で引き込まれたのです。

 一方、シンボル曲ともいえる曲やデビュー曲の披露もうれしかった! “推し”グループとの出会いのプロセスにデビュー曲は欠かせませんからね(笑い)。そして、『夏疾風』を歌ってくれた嵐には心から「ありがとう」です。2018年、「全国高等学校野球選手権大会」が100回目を迎えることを記念して、「ABC(朝日放送)夏の高校野球応援ソング」として作られた一曲。「高校野球100回記念のスペシャルナビゲーター」として相葉雅紀クン(37才)が選ばれ、『速報!甲子園への道』(テレビ朝日系)に出演したんですよね。そんな“甲子園”さえ、春、夏共に「中止」になるなんて、誰が予想できたでしょうか。

 その相葉チャンは、今回のライブについて「楽しいですよね。やっぱり本業って、コレだよね」と。ですよね、今年の嵐は、挙げだしたらキリがないほどギッシリ予定が詰まっていたし、なかでも「国立競技場」でのライブが予定通り行われなかったことについては、全員、悔しい思いがあったハズです。場所は「横浜アリーナ」で、無観客ではあったけれど、配信で存分に楽しんでいるファンの皆さんの顔は彼らには見えていたのでは? ジャニーズの中でも、圧倒的にバラエティー番組のレギュラー本数が多く、リモートやソーシャルディスタンスを駆使しながら懸命に穴をあけずにやってきた嵐の5人も、存分に発散できたのだと思われます。

 King & Princeはジャニーズ顔面偏差値トップといわれるルックスとキラキラがまたバージョンアップ。客席でファンの皆さんがペンライトを振っているかのような照明が、もっとも似合っていたのがキンプリであるように思いました。

◆スノストらが尊敬するKinKi Kids 貫禄の大トリ

 2日目は、KAT-TUN、関ジャニ∞、Sexy Zone、3日目はNEWS、Hey! Say! JUMP、ジャニーズWEST。

 2日目あたりで感じたのは、ファンの皆さんの中から「推し以外のグループのライブを初めて見たのだけれど、すごくよかった」なる感想がSNSに多く見られたこと。仕事柄、ジャニーズのアーティストさんのライブは大昔から(!)全部拝見している私にとっては、とても新鮮なリアクションであると同時にジャニーズの底力を見せつけられた気がしました。

 個人的には4日目、デビュー前から暑苦しく(!)推しているKis-My-Ft2は、何度もリピートしてしまいました。メンバー全員で選曲してくれたんだなぁというセットリスト。コンサートで歌われていた記憶がほとんどない『We never give up!』では、この時期、ありがたくも前向きになれる歌詞に聞き入ったし、『Kis-My-Calling!』ではもちろん、「にっかちゃんだよ~! イェ~イ」と歌わせていただきました。ヲタ心をくすぐるという点では2015年の“あけおめコン”『新春Kis-My-福袋~今年もよろしくThank youじゃん!~』に近いテイストだったように感じました。エビキスが揃ったことにも心から感動。「エビキス魂」、また見たいですし、名曲『Daybreaker』のCD化、MV化を熱望していたアノ頃を思い出してしまいました。

 5日目のTravis Japan、HiHiJets、美 少年、7 MEN 侍、少年忍者、宇宙Sixの元気いっぱいなパフォーマンスは、本来なら、『EXシアター六本木』や『テレビ朝日夏祭り』を担当していたのでは…と。

 そして最終日、オリコン上半期シングルランキング1位という快挙を引っ提げて登場した“スノスト”のメンバーの多くが尊敬するKinKi Kidsの貫禄の大トリには、あぁ、やっぱりナマでライブが見たい~~という気持ちに。

 この先、ジャニーズのライブがどんなふうに行われるのか、期待と不安が入り交じってしまいますが、今回、みんなの聖地であり、ドームとホールの中間というサイズ感がちょうどいい「横浜アリーナ」だったことも素晴らしかったし、スクリーンを利用して、コール&レスポンスや、ファンが一体化できる工夫がされていたことでも、「チケット獲ってナマで見た」気持ちになりました。免疫力、確実にアップしました。

 また、やっていただきたいです。皆さん、本当に本当にありがとうございました。

※女性セブン2020年7月9日号