2021年3月12日
ミュージックヴォイス
KAT-TUNが、今年CDデビュー15周年を迎える。2006年に「Real Face」でCDデビューした彼らは、デビュー前から驚異的な記録を打ち立ててきた。2002年に行われた初の単独ライブ『KAT-TUN お客様は神サマーConcert55万人愛のリクエストに応えて!!』には、当時まだジャニーズJr.であったにも関わらず、約55万人の応募があった。2005年、平均視聴率27.8%を記録した『ごくせん 第2シリーズ』(日本テレビ系)に亀梨和也と赤西仁が出演すると、 “仁亀コンビ”として大きな注目を集め、一般層からの人気も獲得した。
そして、CDデビュー直前の2006年3月には、デビュー前の単独公演は史上初となる東京ドームでライブを実施。同月22日にグループ結成から約5年、待望のデビューを果たした。スガシカオが作詞し、B’zの松本孝弘が作曲した「Real Face」は、初週売上75.4万枚を超える大ヒットを記録し、翌月にはミリオンセラーを達成した。<ギリギリでいつも生きていたいから>というフレーズや、サビ前の「チッ」は今も印象に残っている。
それまでのジャニーズアイドルと言えば、SMAPや嵐など、少しやんちゃなところはありつつも、爽やかさや真面目さを持つ、いわゆるお茶の間ウケの良いグループが多かったように思う。しかし、KAT-TUNは、不良っぽいイメージや、ギラギラとしたパフォーマンスを全面に出し、「ジャニーズ異色のワイルドグループ」として、新たなアイドル像を確立した。今でこそ、SixTONESや、ジャニーズJr.内のユニット・IMPACTorsなど、ワイルドグループも増えているが、KAT-TUNは、その先駆者とも言えるだろう。
そんな彼らが、15周年を迎える今年、3年ぶりに待望のニューシングルをリリースした。3月10日に発売された「Roar」は、亀梨主演のドラマ『レッドアイズ 監視捜査班』(日本テレビ系)の主題歌で、スピーディーでスリリングな作中の世界観を反映させた1曲となっている。曖昧で正解の見えない今を生きる自分に葛藤を抱きながらも、目指す未来へと歩き出す決意を歌った同曲は、結成から長きに渡って活動を続けてきた彼らだからこそ歌える力強さに満ちた楽曲だ。
また、3月20日からは、全国ツアー『15TH ANNIVERSARY LIVE KAT-TUN』の開催も決定している。同ツアーのグッズであるペンライトは、ピンク・赤・オレンジ・黄色・青・紫の6色に光る。これは、脱退した3人のメンバーカラーも含まれており、グッズの詳細が明らかになった日には、SNS上で「ペンラ6色」などのワードがトレンド入りしていた。この6色には、過去の仲間を大切にしながら、新たな一歩を踏み出すという決意が表れているようにも感じる。
「Real Face」で大旋風を起こしてから15年。メンバーの脱退や充電期間を乗り越え、KAT-TUNはいま、新たな一歩を踏み出そうとしている。歴代のメンバーの頭文字を含むグループ名を背に、なお全速力で走り続ける3人。この15周年イヤーが、新たな伝説を作り出す年になるかもしれない。【かなぴす】