2020年6月26日
ウェザーニュース
今日6月26日(金)の関東では、南の空にきれいな虹色の雲が見えているところがあります。この現象は「環水平アーク」と呼ばれ、氷の粒で出来た薄い雲によって太陽光が屈折することで虹色に見えています。
太陽が高いときにだけ出現
この色づいている雲は、周囲に見える雲よりも高い所にあるとみられます。このような上空高い所にある雲は、水滴ではなく小さな氷の粒が空に浮かんでいる状態です。この氷の粒がプリズムの役割をして、波長ごとに光が分けられることで色が分かれて見えています。雨上がりなどにできる虹は太陽を背にした側(太陽と反対側の空)に見えますが、環水平アークは太陽と同じ方向の空の低いところに見えるのが特徴です。太陽が高く昇っている時間帯にしか見えないので、冬場はお目にかかることができず、見えたら少しラッキーな現象です。
晴れ間が見えてきたら暑さに警戒
朝は曇っていた関東でも、このように青空が見え始めているところがあります。朝の涼しさから一転して、昼間は30℃前後の蒸し暑さとなる予想です。熱中症に警戒するようにしてください。また、青空が見えたのもつかの間、午後は再び雨雲が流れ込む可能性がありますので、にわか雨にもご注意ください。
参考 よくある見え方の環水平アーク
環水平アークは、雲が薄く広く出ているときには水平方向に長く伸びる虹として出現することが多く、その名がつけられています。環水平アークが見える位置は、太陽の高さによって決まった場所となります。今回はその場所の一部にしか雲がなかったため、「横一直線の虹」ではなく「虹色に輝く雲」のように見えたというわけです。この写真は2週間前の秋田県で撮影されたものですが、手前の積雲の奥に薄くひろがっている雲が、空高いところにある氷の粒でできた雲ということになります。