《熱愛報道もスルー》ジャニーズ滝沢副社長の下、“ぞうきん掛け”で成り上がった「2人のSnow Man」

2020年6月9日

文春オンライン

 2020年5月28日、ジャニーズ事務所の副社長であり、ジャニーズJr.のプロデュースを手掛ける関連会社ジャニーズアイランドの社長でもある滝沢秀明氏(38)が、初めての映画監督に挑戦する「滝沢歌舞伎 ZERO 2020 The Movie」の公開決定が発表された。

「毎年恒例の舞台である滝沢歌舞伎ですが、今年は7、8月に新橋演舞場で公演が予定されていました。しかし、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、上演を見合わせることに。そんな舞台の代わりに映画の制作が決定されました。映画の中の舞台シーンは無観客で撮影される予定です」(ジャニーズ事務所関係者)

 舞台の上演見合わせについて、滝沢氏はギリギリまで悩んでいたという。

「滝沢さんはギリギリまで映画にするか、舞台をやるかで悩んでいました。今回の舞台にはオリンピックというモチーフも取り入れる予定だったそうです。ただ、映画にすれば過去の舞台映像も使えるという利点もある。そのあたりも映画制作へ意を決したことに関係しているでしょう。現在、打ち合わせが進められていて、どれくらい過去の映像を使うかも話し合っているそうです」(同前)

「滝沢の城を作る」という一言から始まった

 本公演のスタートは2006年。最初は「滝沢演舞城」という名前で新橋演舞場で上演されていた。

「ジャニーさん(故ジャニー喜多川氏)の『滝沢の城を作る』という一言から始まった舞台でした。ジャニーさんが企画・構成・総合演出を務め、当時は、ワイヤーを使い吊るされる“フライング”の演出が話題になった。“ジャニーズといえばフライング”という印象を持つ人も多いと思いますが、それを定着させた要因の1つがこの滝沢歌舞伎なんです。フライングだけじゃなく“変面”と呼ばれる、手を使わずにつけているお面が変わるイリュージョンなど、お客さんを常に驚かせる演出が人気です。

 新橋演舞場の工事により2010年に舞台を日生劇場に移し、そのタイミングで『滝沢演舞城』から『滝沢歌舞伎』へと公演名が変わっています。そして、2019年から滝沢氏は裏方に回り、主演を降板。代わりに2012年から8年連続で出演していたSnow Manがメインキャストに抜擢され、『滝沢歌舞伎ZERO』へと公演名も変わりました」(同前)

 滝沢氏の初監督映画の主演もSnow Manが務める。深澤辰哉(28)、ラウール(16)、渡辺翔太(27)、向井康二(25)、阿部亮平(26)、目黒蓮(23)、宮舘涼太(27)、佐久間大介(27)らメンバーをはじめ、ジャニーズJr.の面々も出演。振り付けは舞台と同じく五関晃一(ごせきこういち・34、A.B.C-Zメンバー)が担当するという。過去の未成年女性との飲酒問題で活動自粛中の岩本照(ひかる・27)は出演者のリストには入っていない。

 最近ではNEWS手越祐也(32)の“ステイホーム破り”を問題視し、芸能活動自粛としたジャニーズ事務所。これまで所属タレントをスポイルし続けてきたジャニーズが恐怖政治によって綱紀粛正をはかっているウラには、滝沢副社長の存在が大きいと言われている。

 だが、厳格な運営で知られる滝沢氏が、これまで唯一特別扱いをしてきたと言われるのが、このSnow Manなのだ。

「世間的には余り知られていませんが、グループ名のSnow Manも滝沢さんが名付けたのです。Snow Manの前身グループ『Mis Snow Man』のグループ名の由来はイニシャルと言われていますが、実際には本人たちもよくわかっていません。ジャニーさんがコンサート中に衣装着替えのタイミングで、突然、『ユーたち決まったよ!』とグループ名を伝えてきたそうです。その『Mis Snow Man』が解散し、そこから名前を取って滝沢さんがSnow Manと名付けたのです。

 先にデビューが決まっていたSixTONESと同時デビューに漕ぎ着けたウラには滝沢さんの猛プッシュがあったことは明らかで、会見でメンバーが説明した日時の辻褄が合わなかったりしたこともあり、ファンの中で“時系列問題”と呼ばれ、いまだに禍根を残しています。それでも、2020年2月3日付の週間シングルセールスチャート『Billboard JAPAN Top Singles Sales』で、Snow Manは75.2万枚を売り上げ、ジャニーズデビューシングル初週売り上げ歴代3位に輝いたのです」(スポーツ紙記者)

Snow Manカレンダー売れ行き好調は「情報操作」?

 今年発売されたジャニーズ事務所の公式カレンダーをめぐっても一悶着あった。

「今年3月6日にジャニーズ事務所の公式カレンダーが発売されました。売上部数は『オリコン2020年上半期グッズ・マルチメディアTOP10』を見ると、King&Princeが16万1117部で、Snow Manが7万5458部となっています。しかし、このランキングが公開される以前、Snow Manのカレンダーは予約の段階で完売のため重版するという情報が拡散されていた。これは発売元のワニブックスもアナウンスしている内容で、テレビでも取り上げられていた。

 他のグループが重版されていないため、Snow Manのカレンダーだけが凄まじい売れ行きなのでは、と話題になりました。だが、蓋を開けるとKing&Princeの約半分。ファンの間では『情報操作でSnow Manの好感度を上げようとする滝沢氏の秘策なのでは?』とも囁かれた。真偽は不明ですが、デビューの際の“時系列問題”に続き、滝沢氏がSnow Manを特別扱いすることを許せないと考えているファンが多いのも事実です」(同前)

 なぜ、そこまで滝沢氏はSnow Manをプッシュするのか。そこには滝沢氏とSnow Manの深い因縁がある。

「ジャニーさんのお眼鏡に適ったエリートコースのデビュー組と比べて、報われずに売れ残ったJr.たちが、Snow Manなのです。デビュー時のメンバーの平均年齢は24.7歳。ジャニーズのデビューとしてはあり得ない遅さです。

 ジャニーさんはSnow Manに対して『ユーたちは売れないよ』とはっきり言っていた。テレビの仕事は回ってこず、“舞台班”として扱われることが多かったのです。その結果、滝沢歌舞伎に出演し続けることになったのです」(前出・ジャニーズ事務所関係者)

 2006年の滝沢演舞城の際、まだSnow Manは結成されていなかった。現在のメンバーである深澤は、Hey! Say! JUMPの前身ともいえるユニットJ.J.Expressのメンバーとして、中島裕翔(26)や伊野尾慧(29)らと共に出演していた。しかし2007年、中島や伊野尾がHey! Say! JUMPとしてデビューしたとき、深澤はその中には入れなかった。

「深澤は2012年にSnow Manを結成してからは、滝沢歌舞伎に出演し続け、『滝沢歌舞伎はSnow Manに支えられている』と滝沢さんは事あるごとに話していました」(同前)

 特に深澤、佐久間は滝沢とはプライベートでも仲が良いという。

「深澤さんや佐久間さんはプライベートでも食事に行ったりするようです。深澤さんは滝沢さんの付け人だと間違われるほどにべったりで、滝沢さんの楽屋に行っては身の回りの世話もしていました。家にも何度か行ったこともあると聞きました。Snow Manは滝沢さんを崇拝しています。滝沢さんに何があってもついていくという雰囲気で、狂信的とも言える師弟関係ですね」(同前)

AKBメンバーとの熱愛スクープにも……

 滝沢は自身がタレントの頃から事務所内である程度の力を持っていた。というのも、故ジャニー氏のいちばんのお気に入りで、1人息子のような扱いだったからだ。

「深澤さんが『週刊文春』にSNH48のメンバーだった宮澤佐江さんとの熱愛が報じられた時も(2013年8月15日・22日夏の特大号「スクープ撮 AKBグループ宮澤佐江に熱愛発覚! お相手はジャニーズの新星」)、深澤さんは事務所スタッフに呼ばれたものの、注意を受けただけだった。

 当時のジャニーズ事務所がそこまで厳しくなかったこともありますが、兄貴分である滝沢さんが色々と指導し、面倒を見るだろうという目論見が事務所側にあったのだと思います。滝沢さんは他のJr.が悩んでいると言うと『飯行くか』と連れていくことも多々ありました。現在は、今までの優しい滝沢さんだけではダメだという思いもあるようで、厳格化している部分もあるようです」(同前)

 稀代のエンターテイナーと呼ばれた故ジャニー喜多川氏が、その才能を認めていた手越は組織のルールを逸脱し、ジャニーズを去る可能性もあるという。一方で、後継者・滝沢氏の新組織のために“ぞうきん掛け”を厭わず成り上がったSnow Manは、副社長肝煎りの映画に主演。そうして完成した映画作品の出来映えに注目したい。

(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))