2020年6月7日
毎日新聞
新型コロナウイルスの緊急事態宣言が解除されても、神奈川県内の金券ショップは格安チケットなどの売り上げが回復せず、経営者らが頭を悩ませている。有効期限が迫った新幹線チケットを正規価格の4割引きでたたき売るケースもある。新型コロナの終息が見通せないなか、出張や旅行、スポーツ観戦の自粛や買い控えは今後も続くとみられ、厳しい状況は長引く可能性がある。
横浜駅(横浜市西区)近くの金券ショップは緊急事態宣言が出された後、新幹線や航空券、百貨店の商品券、映画館、ライブ、サッカーなどのチケットを中心に売り上げが激減。客が持ち込む買い取り商品もほとんどなくなった。
現在、新横浜―名古屋の新幹線指定席チケット(正規価格10640円)を9600円で販売しているが、有効期限が迫ったチケットを7900円まで値下げしたこともある。
5月25日の宣言解除以後、周辺の百貨店やショッピングセンターは少しずつ通常営業に戻ったが、この金券ショップの売り上げは3割ほどしか回復していないという。
店主の男性は「とにかく、あらゆる種類の金券が売れなくなった時期があった。外出や出張、イベントの自粛はまだまだ続くので、しばらくは厳しいでしょう」とため息をつく。
別のショップは有効期限が数日後に迫った新横浜―名古屋の新幹線チケットを4割引きの約6000円で販売していた。一時は新横浜―新大阪(同14390円)を3割引きで販売したこともある。店員は「詳しくはお答えできないが、有効期限がギリギリになったものから、価格を下げて売っている」と話している。【小出禎樹】