群馬県民宿泊5000円還元、初日から予約殺到 施設側全額立て替えに不満も

2020年6月6日

毎日新聞

 群馬県が新型コロナウイルスの観光需要回復策として打ち出した、県民の県内ホテル・旅館宿泊料金から5000円キャッシュバックする「泊まって!応援キャンペーン」が5日始まった。県内の宿泊施設では予約や問い合わせが殺到。客に還元した5000円のうち県の補塡(ほてん)は4000円。しかも補填完了までに資金繰りが悪化する懸念があるとの宿泊業者の声も少なくない。

 草津温泉(草津町)の旅館「望雲」では、県のキャンペーン発表直後から既に20~30組の予約が入った。5日にはさっそく3組が利用。普段は首都圏の客が多いため「県内の方に草津の魅力を再発見してもらう機会になれば」と話す。伊香保温泉(渋川市)の「美松館」でも5日に4組が利用。宿泊歴のある客向けの割引サービスなど自助努力も始めていたが、県のキャンペーンで「需要が喚起された」と評価する。

 ただ、県から補塡されるまで施設側が全額を立て替えることに不満の声も出ている。宿泊施設のほとんどがここ数カ月の売り上げが激減状態。ある旅館は「お客さんが来れば来るほど厳しい」と本音を漏らす。県観光魅力創出課は施設側の負担について「できるだけ速やかに補填したい」と話した。【鈴木敦子】