奈良市、19年度犬猫の「殺処分ゼロ」を達成 10年前には全国有数の多さ

2020年5月21日

毎日新聞

 奈良市は2019年度、市保健所に持ち込まれた犬猫について、目標としていた「殺処分数ゼロ」(衰弱などによる自然死、安楽死を除く)を達成したと発表した。08年度には殺処分数663匹(犬178匹、猫485匹)と全国有数の多さだったが、譲渡ボランティアとの協力で保健所での収容数自体も大幅に減らした。

 市によると、15年度から譲渡ボランティアと協力し、子猫の多頭持ち込みなどは窓口で受け入れを拒否して譲渡につなげるなどしてきた。その結果、08年度に826匹(うち猫577匹)だった収容数は、19年度は217匹(同186匹)と4分の1に激減。収容したうち164匹(同154匹)も譲渡会などで飼い主を見つけることができた。36匹(同35匹)は自然死や重いけがなどで安楽死させたが、収容しても殺処分せずに施設内で保護するケースも増やしている。

 市は6月からふるさと納税の寄付メニューにも「動物愛護」を加え、野良猫の避妊去勢手術費補助やボランティア支援に充てる。

 「殺処分ゼロ」を選挙公約としてきた仲川げん市長は「保健所も持ち込まれた犬猫を安易に引き取るのではなく、動物とともに歩んでいくという視点を大事にしたい」と話した。【稲生陽】

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