保健所職員の1割、4月の残業100時間超 コロナ対応で過酷な最前線 山形

2020年5月16日

毎日新聞

 新型コロナウイルスの電話相談や感染経路の調査などにあたる山形市保健所で4月、時間外労働(残業)が100時間を超えた職員が約1割いたことが15日、市への取材で判明した。市は担当課以外から職員を回して業務にあたっているが、コロナ対応の最前線の過酷な勤務実態が浮き彫りとなった。

 保健所のコロナ対応の業務は多岐にわたる。感染に疑いを持つ市民や医師らからの電話相談や、PCR検査(遺伝子検査)のための検体の県衛生研究所への運搬、濃厚接触者の追跡などを行う。

 同保健所によると、新型コロナ関連の相談件数は2月が424件だったが、県内で感染が初めて確認された3月は1093件に、感染者が増加した4月は3346件に激増。8回線ある電話がパンク状態になることもあり、本来の同保健所の職員84人では対応しきれず、増員してしのいでいる。

 病気や死亡などに至る危険が高まる「過労死ライン」は、発症前1カ月間に100時間か、同2~6カ月間平均で80時間。市が、保健所の職員84人の4月の勤務時間を調査した結果、100時間超に達した職員は9人おり、最長は166時間だった。100時間に達しないが、80時間以上も6人いた。昨年12月、保健所の職員(78人)の総残業時間は約646時間で、1人当たり月平均約8時間だったが、今年4月は職員数は若干多いが同3562時間、約42時間と急増。休日出勤も続いているという。

 市職員課によると、職員の残業時間は通常業務の場合、月45時間が上限だが、今回は災害時と同様の「緊急事態」ととらえ、上限を設けない特例措置を取っている。

 県内の感染者数はピークを過ぎ、減少傾向にあるが、中には、国が国民に一律10万円を給付することなど、保健所の本来業務と関係がない問い合わせもあったという。担当者は「定時に仕事が終わる状況ではないが、協力し合って乗り切りたい」と話した。【藤村元大】