2020年5月2日
スポーツ報知
ジャニーズWESTの藤井流星(26)が主演する日本テレビの連続ドラマ「正しいロックバンドの作り方」(月曜・深夜0時59分)の放送がスタートした。新型コロナウイルス感染拡大の影響で放送延期となったドラマが相次ぐ中、貴重な新作。メンバーの神山智洋(26)とダブル主演で兄弟役を演じる。「この状況の中でファンに形となったものを一つ、届けられることは良かった」と前を向く。グループとして主題歌「証拠」も歌う。「ここまで積み重ねてきたものが詰まっている」とグループ7人の成長についても語った。(畑中 祐司)=紙面未収録インタビューを加えた完全版=
無事に作品を届けられることは今、当たり前ではなくなっている。藤井は、そのありがたみをかみしめている。今作は幸いにも、首都圏などで外出自粛が要請される前に撮影を終えていた。
「この状況の中で、せめてもの救いじゃないですけど。自分たちのツアーも、いったんなくなったりして、今後どうなるかも分からない。一つ、形として届けられるものがある。プラスに考えて、今は“おうち時間”が多い。みんなに見てほしいですね」
18年1月期「卒業バカメンタリー」以来2度目の日テレ深夜ドラマ枠「シンドラ」の主演。前作では浜田崇裕(31)と、今作は神山とダブル主演。神山とは同い年ながら、兄弟役で自身が兄を演じた。
「兄弟って聞いた時、ビックリでしたよ。見た目的には、僕の方が身長もあるんで年上感はあるのかな。でも元々、神ちゃんの方が(ジャニーズ入所が)先輩やし、すごい細かいこと言うと、神ちゃんの方が1か月早く生まれてる。神ちゃんも、僕の弟はちょっと嫌やろなと思いつつ。想像もつかへんかったけど、意外に本読みの時から割とすんなり入ってきて、不思議と違和感もなかった。ファンの人とか、先入観あったりすると思うけど、それでも兄弟に見えるんじゃないかなと思います」
4人組ロックバンド「悲しみの向こう側」がロックフェス出場を目指し、さまざまな壁にぶつかりながらも成長していくストーリーで、演じるのはボーカル&ギターで兄役のシズマ。熱いがビビりでネガティブ、心配性のリーダーという役どころだ。
「ウチのメンバーで、ちょっと重岡(大毅)っぽい。猪突(ちょとつ)猛進。でも、すぐ悩む、みたいな。台本読んだ時、あっシゲっぽいなと。キャラクターは違うけど、性格が。重ね合わせても面白いと思う」
自身の性格との共通点はあるのか。
「僕も自分でビビりと思っているけど、口に出すか出さへんか。シズマはバチバチ口に出すタイプ。バチバチ自信ある時、自信あふれた発言するし、ない時はすぐ弱音吐く。気持ちは分からんでもないというか。とにかくパワフルに演じることだけ考えました」
兄弟役の2人と吉田健悟(27)、栗原類(25)の4人で繰り広げる会話劇。それぞれセリフ量は膨大だ。
「セリフは今までで一番大変。ずっとしゃべってる感じ。あと、テンションが高い。だいぶカロリーは消費したと思います」
撮影で一番苦労したというのは、膨大なセリフを覚えることではなく、ハイテンションだったという。
「初めてなんですけど、1回ホンマにセリフが出てこーへんくなって、焦りました。叫んでたら頭回らなくなって。酸欠じゃないけど、何かボーッとしてきて。初めての状況。今までやってきて、マジでなかった経験でした。普段テンション高い人って体力あるな、って。普段、僕このテンションですけど、撮影では、この10倍ぐらい。明るい人、尊敬しますね」
初体験は、もう一つあった。人生一番という長髪だ。
「このドラマが決まる前に、ちょっとだけ伸ばしてたんですよ。で、この話をいただいた時に『その調子で伸ばしてくれ』『分かりました』で、この長さ」
先輩のTOKIO・長瀬智也(41)を理想に、長髪願望はあったという。
「金髪の想像ではなかったんですけど。髪の毛が全部結べるようになった時、結構うれしかった。やっぱり男が長いのってしんどいんですよ。一定の長さを超えるまで耐え抜かないといけないんですよ」
長髪には、周囲から思いがけない反応もあった。
「金髪ロン毛になったことによって、いろんなところで『ROLAND』『ROLAND』って…。ダウンタウンの浜田(雅功)さんに“格付け(テレ朝系『芸能人格付けチェック』)”で言われて。ロックな格好をしてたらロックバンドに見えるかもしれないですけど、番宣とかでジャケットスタイルやと完全にホストですから」
「ホスト界の帝王」にそっくり。それはそれで反応を楽しんでいる。
「元々の顔も相まって、ですよ。金髪ロン毛の代名詞がROLANDになってもーたから。こんなにROLANDばっかり言われるから、逆に寄せたろかなと思います。めちゃくちゃ伸ばしたろかなって」
撮影は終わった。実際、髪形はどうするのか。
「バッサリいくにしても、もうちょっと…どうしようかなって。もうタイミングが分からんくなってる。何かちょっと愛着も湧いてくるんですよ。ライブとかになると、短い方が楽は楽ですから。ツアーが再開した時、髪形は楽しみにしてもらうとして。でも、もしかしたら、ずっとサングラスかけてるかも(笑い)」
ドラマの会話劇、容姿、さまざまな楽しみ方がある。もう一つはグループとして歌う主題歌「証拠」だ。
「熱いです。ジャニーズWESTの応援ソングです。(昨年10月発売の)『Big Shot!』も応援ソングですし、去年1年は決めていたというか、シングルを出すにあたって、1年通して誰かを応援する曲を出そうとして、今回の『証拠』も。『Big―』はフレッシュなアイドルの応援ソング。『証拠』は一つ階段を上がったような。ちょっと大人になれたのかなって。歌詞もストレート。何か『証拠』っていいですよね。『頑張っている証拠だよ』とか言われたら、あっ、オレ頑張ってるんかなって、ちょっと自信持てたりするから」
ツアーは中止となったものの、今後の新曲パフォーマンスにも思いを巡らせる。
「すごいエモーショナルな曲で、ライブ映えもしそう。多分、踊る曲じゃない。歌っているとこを想像したら、横一(列)移動なしでずっと歌うパターンの曲なんじゃないかなって。ずっと横一で立って歌うだけっていう見せ方は、成熟というか、デビューして何年かたたないとできないこと。何か、ここまで積み重ねてきた音楽的なものが詰まっているのかなと思う」
夏には東京ドーム、京セラドーム大阪公演も控える。先行きは不透明ながら、今はただ、一日でも早くステージから歌声を届けることを心待ちに、もう一つ新たな試みも思い描いている。
「多分、ライブとかでも大事な曲になっていくのかなと。あわよくば、そんな急にできることじゃないけど、自分らでバンドもやりたい。爽やかアイドル、わちゃわちゃ関西人じゃないところの分野も開けていけたら。その道が開けそうな曲でもある。最初バンドとかって、やってるグループとかぶるとか思っちゃったけど、別にバンドって誰の物でもない。いつかやりたいと思ってます」(紙面より)
◆紙面未収録インタビュー
一日でも早く、生の音楽を届ける日が来ることを願う。今は、それが当たり前ではなくなっているからこそ、アイデアも浮かぶ。
「それこそYouTubeとかインスタグラムで、俺ららしいものが出来たら面白いやんって。10秒ぐらいのショートコントとか。あとは歌も。それぞれ携帯で撮影して、それを載せたり。何かはできたら」
なかなか外出することもできない。プライベートでは今、どんな生活を送っているのか。
「言ったら、暇じゃないですか。1人で料理作っても、大したもん作らんから、質素になってくる。だから最近ちょっと華やか感を味わいたくなって、何か知らんけど、デトックスウォーターを作り始めました。果物とかミントとか普通に水に浮かべるだけなんですけど。あれだけで朝、ちょっと華やかな気分になる。スーパーいって、果物いっぱい買って。基本的に僕はレモンですけど。今日飲んだやつで言うと、レモンとミントとミカンを。家用の透明な注ぐやつあるでしょ。あれがキレイに並んでますよ。果物とミントが。それ朝に見ると、ちょっと幸せになる。ホンマにちょっとだけ。『俺、しゃれた生活してんな』って(笑い)。まあでもちょっと、そういう日常のちょっとした喜びみたいなものを」
何をするにも、時間はたっぷりある。工夫しながら、日常に彩りを加えている。
「掃除もできるチャンス。今めちゃくちゃ家、キレイれですよ。めちゃくちゃキレイなったから、ちょっとオシャレなことしたくなって、デトックスウォーターに手を出す、っていうね」
人とのコミュニケーションの機会が減る中で、グループのメンバーとはグループLINEなどで連絡を取り合っているという。撮影で濃密な時間を過ごしたドラマの同世代の共演者たちともクランクアップ後、打ち上げはできていない。
「これ(緊急事態宣言)が解けたら行こうぜって。たまに吉田健吾からはメール来たりします。しょうもないやりとりを、ずっとしてます。健吾が『休みが多すぎてヤバイ。俺、ジャニーズ今から間に合うかな?』『いや、ムリやと思うわ』とか。そういう、しょうもない会話を。今まで、こんなことはなかった。こんなに休みがあったら旅行、行くわって。俺も早く何か家で出来る仕事を探したい。ずっと暇やったらモチベーションがないまま」
外出自粛が続く中、最近は「オンライン飲み会」という新しい文化も浸透する。
「何人か地元の友達とも、昔話に花を咲かせながらリモート飲み会やったりしてます。意外と楽しいですよ。テレビ電話でお酒飲むって、今までやと意味分からないじゃないですか。これがずっとやったら楽しくなくなってくると思いますけど、今は新感覚なんで」
相手は、地元の友達だけにとどまらない。とある日、Kis―My―Ft2の千賀健永(29)から突然、誘いの連絡があったという。
「夜中12時半ぐらいやったか『テレビ電話、かけていい?』って。『いいっすよ』って出たら、そのテレビ電話がJohnny’s webに上がってました。何となく『載せるかも』みたいなのはありましたけど『ああ、分かりました』みたいな軽い感じで。俺めっちゃ素の夜中のテンションのしゃべり方で『何すか?』みたいに。先輩に『何時やと思ってんすか』『顔サイコパスっす』とか言ってるやりとりが、しっかり千賀くんのブログに流されてました」
“ステイホーム週間”真っただ中。不要不急の外出を控える日々は、まだしばらく続く。
「こういう機会やからこそ、連絡取ってなかった人とテレビ電話してみたりとか、楽しいなって思ったりします。あんまりいろいろマイナスに捉えても面白くない。すべてプラスに」
◆藤井 流星(ふじい・りゅうせい)1993年8月18日、大阪府生まれ。26歳。2006年10月、ジャニーズ入所。関西Jr.だった13年10月期フジテレビ系「ミス・パイロット」でTVnavi「ドラマ・オブ・ザ・イヤー」新人男優部門受賞。14年2月に当時4人組だった「ジャニーズWEST」に浜田崇裕、神山智洋とともに加入。同4月「ええじゃないか」でCDデビュー。同7月期TBS系「アゲイン!」で連続ドラマ初主演。