《キンプリとスノストはどちらが上?》業界関係者だけが知っているジャニーズ新世代の「人気、才能、性格」

2020年4月24日

文春オンライン

 ここ数年、ジャニーズ事務所は受難続きだった。2016年12月にSMAPが解散。2018年5月にはTOKIOの山口達也(48)が女子高生への強制わいせつ容疑で書類送検され事務所を退所。「週刊文春」(2020年3月5日号)では長瀬智也(41)が退所する意向を示していると報じられた。関ジャニ∞も人気メンバーである渋谷すばる(38)が2018年末に、錦戸亮(35)が2019年9月に退所。新型コロナの感染拡大で時期は不透明だが、嵐も2020年で活動休止すると見られている。

「ジャニーズ事務所からは関ジャニ以降も、新しいグループがコンスタントにデビューしてきました。この10年、SMAPや嵐クラスのトップスターが今後現れるのかと不安視されていましたが、ここにきてジャニーズ事務所に新しいスターが芽吹いてきたんです。テレビ各局では争奪戦が始まっていますよ」(テレビ局関係者)

 久々にジャニーズ事務所に新風が吹いたのは2018年5月。デビューしたのは故・ジャニー喜多川氏の“秘蔵っ子”だった。

“次期トップスター候補”のキンプリ平野紫耀

「King&Princeのデビューは華々しかった。デビューシングル『シンデレラガール』は初週57.7万枚を売り上げ、2006年のKAT-TUNのデビューシングル『Real Face』が記録した75.4万枚に次ぐ歴代2位、2010年代のデビューシングル初週売上としては最高記録でした。これに手応えを感じた担当者は『世界のキンプリにする』と入れ込み、Sexy Zoneにオファーが来た仕事をキンプリに振るということもあったのです」(事務所関係者)

 中でもセンターを務める平野紫耀(23)はジャニー社長が手塩にかけて育てたという“次期トップスター候補”。「シンデレラガール」が主題歌になったドラマの主演にも抜擢された。

「デビュー曲の売り上げを押し上げたのには、平野が新進女優の杉咲花(22)と主演したドラマ『花のち晴れ ~花男 Next Season~』(TBS系)の影響が大きいでしょうね。同作は2005年に大ヒットした、松本潤(36)と井上真央(33)の主演ドラマ『花より男子』(TBS系)の続編です。当時は平野も知名度が低く、初回視聴率は7.4%と惨敗。しかし徐々に視聴率を上げ、最終回は9.5%でフィニッシュ。なんとか持ちこたえた。

 そしてドラマ出演前は無名だった平野が、この作品をきっかけにブレイクした。作中で身に着けていたファッションアイテムを貸し出したブランドの担当者は『予想以上にいいプロモーションになった』と喜んでいました」(テレビ雑誌関係者)

 その後も平野の露出は増えていく。2019年9月には、映画「かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~」にも主演した。

「公開6週目で166万人を動員し、20億円の興行収入を記録しました。若年層向け映画としては大ヒットですよ。当初『花のち晴れ ~花男 Next Season~』で演技がたどたどしく不安視されていた平野でしたが、回を重ねるたびに演技もしっかりしてきた。今後は俳優としてもやっていけるでしょう。

 イケメンなのに天然ボケというギャップもいい。どこまでが計算かわかりませんが、あのキャラはバラエティ番組でも愛されている」(テレビ局関係者)

 そんな平野人気が牽引し、King&Princeは活躍の場を広げていった。

「女性誌『an・an』(2018年5月30日号)でKing&Princeが初めて表紙を飾ったときにはすぐに完売し、メルカリなどのフリマサイトでは定価以上の高値で取引されました。その後は何度もカバーモデルに抜擢されている」(雑誌関係者)

「キンプリは人気格差が開く一方。でもSMAPだって…」

 一方で前出のテレビ局関係者は「メンバー間の人気格差は開くばかりだ」と心配を口にした。

「平野くん人気が高いゆえに、他のメンバーが霞んでしまう。平野くんがドラマや映画などの撮影で多忙になると、グループでのテレビ出演も減ってしまうんですよ。特にバラエティ番組は平野くんがいないとまだ厳しい。

 ただ岸優太くん(24)は番組出演時に結果を残そうという意思を感じます。トレーニングでかなり体を鍛えてもいて、4月23日発売の雑誌『Tarzan』(マガジンハウス)では表紙に抜擢されました。表紙が公開された直後、鍛え上げた筋肉質な肉体がSNSで話題を呼んでいました。

 郄橋海人くん(21)、神宮寺勇太くん(22)、永瀬廉くん(21)もそれぞれ頑張ってはいますが、もう一歩……というところでしょうか」(前出・テレビ関係者)

 しかし大舞台を踏む機会が増えたことで、メンバーの意識は変わってきているようだ。

「デビュー当初は関係者がいても楽屋で(事務所社長の)ジュリーさんへの愚痴や不満を言うこともありましたが、最近はやっと“プロ意識”が芽生えてきて大っぴらには言わなくなった(笑)。意識の変化に伴って、個々の実力や人気も少しずつ付いてきていますよ。

 あのSMAPでさえ当初はメンバー間の人気格差はすごかった。森且行(46)と木村拓哉(47)以外のメンバーが活躍し出したのはデビュー後ずいぶん経ってからですから。いまキー局ではKing&Princeの看板番組をつくるプロジェクトが始動しているので、さらに場数を踏んでいけばそれぞれのカラーがもっと出てくるのではないか」(前出・事務所関係者)

キンプリが意識するあのグループ

 事務所の大きな期待を背負うKing&Princeだが、意識しているグループがあるという。それが2020年1月にデビューしたSnow ManとSixTONESだ。彼らの躍進に、平野が焦りを口にしているというのだ。

「King&PrinceはジャニーズJr.時代から将来を約束された、いわばエリートグループです。しかし、ここへきて焦りが出てきた。平野紫耀くんは『SixTONESがデビューするなら、僕らは早くドーム公演をしたい』とKing&Princeのメンバーにボヤいていたこともある」(同前)

 King&Princeが意識するSixTONESは、2020年1月22日にSnow Manと共に両グループの曲が入った、ジャケットデザインの違う複数のシングルCDを発売。ジャニーズ初の同時デビューを果たした。2月3日付のオリコン・シングルランキングでは、それらを合わせて初週132.8万枚の売り上げを記録した。

「一部では『2組の合算での記録はズルいんじゃないか』という声もありましたが、それでもデビューシングルでミリオン達成は大成功です。2月3日付の週間シングルセールスチャート“Billboard JAPAN Top Singles Sales”では、SixTONESが77.6万枚、Snow Manが75.2万枚を売り上げていて、この記録はデビューシングル初週売り上げ歴代1位。

 King&Princeのデビューシングル売り上げよりもそれぞれ約20万枚も多いですから。もちろん『スペシャルイベント+ハイタッチ会』という特典がついていた影響もありますが、音楽不況のなか物凄い数字ですよ」(レコード会社関係者)

滝沢社長初プロデュースのSixTONESとSnow Man

 順風満帆の船出となったSixTONESとSnow Manだが、デビューまでは苦難の道のりを歩んできた。

「2018年の“ジャニーズJr.契約書問題”が話題に挙がった頃、当時Jr.だったSixTONESやSnow Manは事務所スタッフから『デビューはできないよ』と言われていた。しかし、その流れを変えたのが滝沢秀明社長です。滝沢社長はジャニーズアイランド社の社長に就任してすぐに動き出し、彼の手腕で2組のデビューに漕ぎつけた」(事務所関係者)

 カリスマプロデュ―サーだったジャニー喜多川氏が亡くなった後にデビューしたSixTONESとSnow Manに、テレビ局関係者は「期待していなかった」と本音を語る。

「ジャニーズはジャニーさんの審美眼とプロデュース能力でここまで大きくなった事務所ですから。ジャニーさんの手を介していないグループには正直、King&Princeほどの期待はしていませんでした。しかし、その予想がいい意味で裏切られた。

 六本木にあるジャニーズの関連会社近くの駐車場には、ジャニーズの立て看板があるんです。ジャニーズタレントのCDリリースや舞台出演など、新情報が出るたびにこまめに差し替えられるのですが、そのたびにファンが写真を撮りに来る。ここ最近でファンが集まっていたのは、SixTONESやSnow Man関連のポスターが貼り出された時。連日ファンがひっきりなしに訪れていてかなり盛況でした。

 いまはK-POPからもLDHからも新しいグループが出てきていない。それで新しい物好きのファンがSixTONESやSnow Manに集中しているということもあるかもしれません。それでも人気が高いのは事実です」(テレビ番組関係者)

下積みが長く、玄人感があるSixTONES 

「予想外の人気」となったこの2グループだが、ジャニーズ事務所内ではデビュー前からSixTONESの前評判は上々だった。事務所関係者は「芸歴が長い “大人Jr.”のなかでも、SixTONESは頭ひとつ抜けていた」と語る。

「SixTONESは2015年に結成し、平均年齢は24歳です。下積みが長いからか、どんな仕事も全力で応えようとするので、スタッフや仕事関係者からの好感度は高いですよ。

 特に元KAT-TUNの田中聖くん(34)の弟である田中樹くん(24)や、京本政樹さん(61)の息子の京本大我くん(25)は肝が座っている。場の空気を読んで求められている答えを出すんですよ。もうちゃんと“プロアイドル”です。逆に言うとちょっと初々しさには欠けるかな(笑)」(雑誌関係者)

 デビュー間もないにもかかわらず、テレビでも「安定感がある」ようだ。

「2014年から2016年に深夜帯で放送していたJr.の番組『ガムシャラ!』(テレビ朝日系)に頻繁に出演していたからか、SixTONESはメンバーそれぞれのキャラが確立していて、デビュー直後なのに妙な安定感があるんです。誰がボケて誰が突っ込むのか、グループ内の役割が定まっている」(別のテレビ局関係者)

 しかし一方で「良い意味での“手作り感”というか、Jr.時代の“手が届きそう感”がなくなってしまったのでは」と語る芸能関係者もいる。

「SixTONESメンバーは『アイランド社を引っ張っていく』という思いがとにかく強い。Jr.時代には、樹くんが自分のLINEのタイムラインに『11月10日放送の世にも奇妙な物語に出演します』『ライブのチケット欲しい人ー?』などと投稿することがありましたが、それもぱったりなくなった。いいことではありますが、玄人臭が出すぎているところは気になりますね」

 一方、事務所内でもデビューを不安視されていたのがSnow Manだ。デビューシングルの同時発売でも、SixTONESに約2万枚の差をつけられてしまった。

「Jr.時代のSnow Manは舞台を中心とした活動が多い“舞台班”で、メディア露出は少なく、地味だった。故・ジャニー喜多川さんも『Snow Manは(デビューしても)売れないよ』と話していたくらいですから。デビュー時に“時系列問題”がファンの中で話題になり、滝沢社長の“ゴリ押しデビュー”だと揶揄されましたが、それも仕方がないことだったと思います」(ジャニーズJr.関係者)

Snow Manは「地味だっただけに“伸び率”が高い」

 だからこそ“伸び率”は高いようだ。

「いまSnow Manが過去に登場した『an・an』のバックナンバーが売れていて、完売する号もあるほどなんです。過去の雑誌が今売れているということは、新規ファンが増えたということ。King&Princeと同じく、デビュー後に『an・an』の表紙を飾ったときは完売しました」(前出・雑誌関係者)

 テレビCMや広告などでも露出が増えている。

「2月26日から放映がスタートした、JCBのCM『相棒のように~弟のお祝い~』編では、Snow Manの目黒蓮くん(23)が嵐の二宮和也くん(36)の弟役として出演しています。Jr.時代のSnow Manは平均年齢も高く地味だったのですが、デビューにあたって目黒蓮など若い人気Jr.を加入させたことで風向きが変わりました。アイランド社はSixTONESやSnow Manをデビュー前からCM出演させるなどして、“メジャー感”を出すことを意識していたようです」(前出・事務所関係者)

新メンバー加入でひずみが……

 しかし、新メンバーが加入したことで、グループ内にはひずみが生まれているのだという。一枚岩のSixTONESと比べると不安な面もあるようだ。

「SixTONESに比べるとグループで盛り上げようという意識が低い。まだ与えられた仕事をこなしているという印象です。SixTONESにあるプロ意識やサービス精神があまり表に出てこないんですよね。特に目黒蓮くんやラウールくん(16)は年齢も若いため、炎上しそうな発言をしてしまうことも多い。編集するのでいいのですが、まだまだ不安定ですね」(前出・テレビ関係者)

 それぞれに一長一短あるKing&Prince、SixTONES、Snow Man。SMAPや嵐のいないアイドル界で頂点を極めるのはどのグループか。

(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))