Mステ、今月いっぱい生放送中止 報ステ・富川アナの感染受けテレ朝厳戒

2020年4月15日

サンケイスポーツ

 テレビ朝日系「ミュージックステーション」(金曜後9・0)が今月いっぱい生放送を取りやめることが14日、分かった。17日放送は当初、司会を務めるタレント、タモリ(74)と並木万里菜アナウンサー(24)だけがスタジオに入る予定だったが、同局系「報道ステーション」の富川悠太アナウンサー(43)の新型コロナウイルス感染を受け、過去のVTRのみで対応することを決定。同局内で発生した“コロナショック”は、今後も他の番組に影響を及ぼしそうだ。

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 「報ステ」から「Mステ」へ、コロナの影響が飛び火した。

 関係者によると、当初、17日はタモリと並木アナだけが通常通りスタジオに入り、アーティストのリモート出演と過去のVTRを混ぜながら生放送する予定だった。

 しかし、11日に富川アナの新型コロナ陽性が判明。テレ朝全体で感染拡大防止を徹底していたにも関わらず、コロナの情報を発信してきた番組の“顔”が感染していたことを「Mステ」側も重く見て、17日の放送スタイルを急きょ変更。出演者、スタッフの感染リスクを回避するためにスタジオには誰も入れず、VTRのみの放送で対応することを決めた。並木アナが別の場所から放送内容をガイドするなどの策が検討されている。

 番組では2月28日放送から無観客にし、同日以降は司会の2人とアーティストが出演。コロナ疲れが蔓延(まんえん)しているお茶の間に元気を与える歌を届けてきた。

 関係者のマスク着用、消毒、マイクを共有しないなどの対策を徹底。加えて“3密”にならないよう間隔を空けるなど気を付けてきたが、今月3日放送の3時間特番では多くのアーティストが登場することから、タモリをはじめ出演者の身を案じる声もあった。

 放送業界に警鐘を鳴らすことになった「報ステ」では、陽性が判明した富川アナだけでなく、フリーアナウンサーの赤江珠緒(45)の夫である同番組のチーフディレクターと幹部スタッフにも感染の疑いがあり、現在PCR検査の結果を待っている。13日からは報道番組の制作経験者を筆頭に他番組のスタッフが即席チームを組み、総力戦でテレ朝の看板番組の放送を維持していく。

 「Mステ」は来週24日放送も17日と同様のスタイルを取る予定。5月に入ってからは感染拡大の状況を見つつ、リモート出演での対応などを検討していく方針だ。

★「報ステ」に高い関心

 富川アナの感染が発覚してから初めての放送となった13日の「報ステ」の世帯平均視聴率は、17.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)だった。前回10日放送と横ばいながら、前4週平均視聴率の16.3%は上回り、関心の高さをうかがわせた。番組では冒頭、富川アナの代役を務める小木逸平アナ(45)が、「このような重大な事態となったことを重く受け止めている」と報告。14日の放送では富川アナに触れなかった。