上田竜也、17年ぶり「-SHOCK」出演「もう関わらないと思っていた」堂本光一を激怒させた過去

2020年1月11日

スポーツ報知

 KAT―TUNの上田竜也(36)は、17年ぶりにKinKi Kidsの堂本光一(41)が主演するミュージカル「Endless SHOCK」(2月4日~3月31日、東京・帝国劇場)に出演。前回は、まだデビュー前のジャニーズJr.だった。光一を“激怒”させた経験から「もう関わらないと思っていた」という作品だ。初演から20周年で上演中に1800公演に達する歴史を誇る。光一への思いとともに、劇中で対峙(たいじ)するライバル役に挑む思いを語った。

 17年ぶりに「―SHOCK」に出演する上田。“ミュージカルの聖地”と呼ばれる帝劇の稽古場に足を踏み入れるのも久々だ。

 「かなり懐かしい感じがしましたね。変わっていない部分と、きれいになっているところと。帝劇には独特の匂いがあるんですよ」

 昨年11月20日に出演が発表された製作発表会見では、壇上に立った。

 「舞台袖とか、すげえ懐かしいなと思いながら。やっぱり雰囲気は、何か独特の感じがある。でも、やっぱり匂いが一番強いかもしれないですね」

 2000年の初演から1731公演を積み重ねてきた「―SHOCK」のカンパニーに再び加入する。

 「言っても、自分は今回が『初めて』。周りには、ずっと続けてきた皆さんがいる。まずはそこに食らいついていかないと、というモチベーション。全体で稽古する前に、どれだけ追いつけるかというのを課題に、毎日やっていますね」

 出演が発表された際には、会見を見守った一般客からもどよめきが起きた。主演の光一も「びびったでしょ」と、したり顔を浮かべた。上田自身も同じだ。

 「まずは何で俺なんだろうと。当時はいろんなことがあったので…。正直、自分はもう関わらないと思っていた舞台。驚きでもあったし、ウチの社長(ジャニー喜多川さん)が愛した代表的な作品でもある。そこに出られる、戻れるという喜びと、何かすごくいろいろ入り交じった感情でした」

 前回出演した03年は、すでにKAT―TUNの一員ではありながら、まだデビュー前。当時を「クソみたいなプロ意識」と振り返る。

 「(今だから言えること?)言える内容なんてない。言っても書けないですよ(笑い)。ただ、毎日のように楽屋でケンカしてました。KAT―TUNの中で誰かしらと。あとは(稽古の)合間にゲームをやっていたり。そのせいで、とちったりもしましたし。わざと。本気でやっての失敗じゃないからタチが悪い」

 01年の結成当時から、メンバー6人が自分たちの持ち味について「それぞれが強い個性を持っている」と自認し、それがグループの武器でもあった。

 「それをやることによって、小さく反抗していたというか。そういうのはありましたね。やっぱり、あまり思い出したくないですね」

 座長としてカンパニーを率いてきた光一は、当時の様子を「幕が下りた後に『おい! おまえらよ!』って言ったことは、1度2度…3度ぐらいある」と笑みを浮かべながら明かした。17年前、上田は19歳。光一もまだ24歳だった。

 「自分が光一くんの立場だったら絶対にぶん殴っていると思う。それを、あれだけ冷静に、大人に。今では、すごく器の広さだったりを感じるけど、当時は、やっぱり気づけなかった」

 KAT―TUNは元々、光一が司会を務めたNHKの歌番組「ポップジャム」で光一の「専属バックダンサー」として結成。だが、その縁は“若気の至り”によってプッツリ切れた。

 「何年か前に自分たちがやっている番組(ザ少年倶楽部プレミアム)にゲストで来ていただいた時、昔バックで踊っていた曲を踊らせていただいた。その頃には、もちろん“改心”してるので『スイマセンでした…』というやりとりもありつつ。それが結構、久々の会話だったかも。それまでは本当に何もなかった。もう一切何もなく。だから、緊張…緊張というか、難しい言い方だけど、ひたすら申し訳ないという感じで」

 光一は、会見で「昔のKAT―TUNはどこに行ったと思うくらい、素晴らしい好青年になった」と、意地悪っぽく語った。

 「今も決して好青年ではないですけどね」

 苦い過去はあるが、自身も光一と同じ立場を経験して成長してきた。08年に初のソロコンサート、09年にミュージカル「ロミオとジュリエット」に主演。その後も舞台主演を務めてきた。

 「何かこの時に変わったとか、気づいたというわけじゃなく、いろんな仕事をしていく上で、そりゃそうだよなって。みんなが一生懸命、本番に向けて作っていく中で、そんなやつがいたら…ね。KAT―TUNは人数が減ったり、それが何回もあった。そういうことも経て、思うことももちろんあるし、何一つ無駄な経験はない。いろんなことを経験しての今」

 劇中で演じるのは、光一演じる主人公・コウイチのライバル役。出演1000回以上の屋良朝幸(36)らが演じてきた。

 「演じる人によってイメージがガラッと変わるから難しい。コウイチに届きたくても届かない、何かが欠落している役。コウイチに対して、それを何にするか。あとは負けず嫌いのギラギラ感。軸にある、好きだからこその対立。頭の中は振り向いてほしい、認めてほしいとか、コウイチでいっぱい。そういうところもうまく作っていかないと」

 光一は2~3年ほど前から、上田をライバル役の候補に挙げていたという。いい意味でのギラギラ感は、個性の塊だった17年前と比べても洗練されて残る。

 「何となくライバル役の心情だったりというのは、あ~!って分かったりもする。自分の持っている部分を素直に出せば、はまるのかなと思っています。光一くんも『昔の、あの感じを出した方が面白い』と」

 「―SHOCK」は20周年記念公演の今年、通算1800回公演に達する。続ける難しさは、身をもって知る。グループは度重なるメンバー変遷、そして16年5月から2年近い「充電期間」を経験した。

 「それまで毎年ツアーもやらせてもらって、毎年やるのが当たり前だと思っていた。それが当たり前じゃなくなる。当たり前なんてないんだということは、すごく思うようになった。『―SHOCK』に限らず、KinKi Kidsもそう。先輩方はV6だったり、何も変わらず20年以上続けている。その偉大さは、僕らの世代の関ジャニ∞、NEWS、KAT―TUNとか、すごく身に染みる。今回、勉強させてもらうことはたくさんあると思う」

 「―SHOCK」は実質、2020年の幕開けを飾る大仕事だ。

 「まだ不安の方が大きいけど、稽古でどんどん解消して、いいプレッシャーの中でやっていきたい。みんなから『楽しみ』って言われる。なかなかのプレッシャー。だから楽しみですよ。初日を迎えた時、終わった後にどういった感情になるのか、楽しみです」(ペン・畑中 祐司、カメラ・小泉 洋樹)

 ◆上田 竜也(うえだ・たつや)1983年10月4日、神奈川県出身。36歳。2001年に6人組「KAT―TUN」を結成、06年シングル「Real Face」でCDデビュー。09年にミュージカル「ロミオとジュリエット」初主演。12年からTBS系「炎の体育会TV」レギュラー。17年「新宿セブン」(テレ東)で連続ドラマ初主演し、ソロで主題歌「未完成のアンサー」を歌った。昨年は「節約ロック」(日テレ)に主演し、4月に舞台「ポリティカル・マザー ザ・コレオグラファーズ・カット」に主演。血液型B。