ダイエットにくじけそうな方必見! 「つい食べ過ぎた」を解消するダイエットの心理学

2020年3月21日

ココカラネクスト

 ダイエットを始めたものの、「つい食べ過ぎてしまった」ってこと、ありませんか?

一生懸命にダイエットに励んでいたのに、一度の挫折をきっかけにあっという間にダイエットから脱落…という経験をしている人も少なくないはず! この「つい食べ」とどうやって向き合えば良いかオススメの解決法を伝授します。

ダイエット中に最も避けたいのが、ストレスによる過食。「もったいない」「イライラして食べてしまう」「デザートは別腹」など、ダイエット中に食べ物でストレスを解消してしまう人も。ダイエット中のストレスをコントロールする方法をマスターして、今度こそダイエットの勝者になりませんか? その方法を、心理カウンセラーとしてメディア等でも活躍中の小高千枝先生にうかがいました。

ダイエット中こそ食べたくなるのってなぜ?

 頑張ってダイエットを続けていても、ある日突然、食欲が爆発し、必要以上に食べてしまうことってありますよね。心理カウンセラーの小高先生によると、それは人間としてのメカニズムが正常に機能した結果なのだそう。

「ダイエット中に食べたくなるのは、食事コントロールやハードな運動をすることで、『我慢』を重ねているから。我慢し過ぎると、脳内にコルチゾールというストレスホルモンが分泌されるのですが、これがダイエットの大敵なんです! コルチゾールは筋肉を分解し、代謝を下げるので、脂肪が燃えづらい体をつくってしまいます。その一方で、体がコルチゾールの分泌を抑えようとするため、甘いもの(糖質)が食べたくなってしまいます。普段食べないものまで必要以上に欲してしまうのは、そのためです」(小高先生)

とくに、ダイエット中に訪れる体重減少の停滞期などは要注意! 頑張っているのに、瘦せるどころか逆に体重が増えたりしてナーバスに。するとコルチゾールの分泌が増えて、ますます食欲が爆発するという悪循環に陥ってしまいがちです。

「食べちゃダメ!」と思えば思うほど、食べたくなる!?

小高先生によると、物体に圧力をかけると反発するように、心も圧力をかけると反発するのだそう。これを心理的リアクタンスといいます。「例えば『食べちゃダメ!』という強い圧力をかけると、かえって普段以上に食べたくなってしまうことがあります。この『ダメと言われるとやりたくなる』のが心理的リアクタンスです。この心理的リアクタンスの結果、『実際に普段以上に食べてしまう』などの行動を起こす現象を、カリギュラ効果といいます」(小高先生)

心理的リアクタンスによって起こるカリギュラ効果は、発生しやすいタイミングがあるといいます。「人それぞれですが、季節の変わり目で自律神経が乱れやすい時期や、仕事の繁忙期、また女性ならば生理前もひとつのタイミングです。また1日の中でも、タイミングが訪れやすい時間帯があります」(小高先生)

こうした心のメカニズムを理解し、自分のタイミングを知っておけば、頑張れる時期とそうでない時期が明確になり、自分のペースでダイエットに取り組んでいけそうです。

ダイエットを成功に導く!小高流極意10

 では、ダイエット中に食べたくなるメカニズムがわかった上で、ダイエットを成功に導くには、何をどう心がけるといいのでしょうか? 心理学の見地から、小高先生がおすすめする極意を10個ご紹介します。

■極意1

目標を掲げて、自分のためにダイエットをする

「他人に言われたから」「有名人が○○だから」ではなく、自分のためにダイエットをすること。そして、「この洋服を着て△△へ行く」など、楽しいイメージが抱ける明確な目標を持ちましょう。そうでないと途中で、誰のために、何のためにダイエットをしているのかがわからなくなり、挫折することに……。

■極意2

サブゴールをたくさん設定する

高いゴールを設定するのはいいことですが、高過ぎるとハードルが上がり、なかなか達成できません。そこでおすすめなのが、高いゴールの前に、たくさんのサブゴール(小さなゴール)を設定するやり方です。

「100段の階段の頂上が高いゴールだとしたら、そのうちの1段1段がサブゴールです。一気に100段は上がれなくても、1段ずつなら簡単に上がれるはず。その小さな達成体験を積み重ねると、人は『○○できる!』という自己効力感=自信を持つことができ、『気がつくと高いゴールに到達していた』となりやすいのです。まずは1日の小さな努力を、2週間続けてみることから始めてみましょう」(小高先生)

■極意3

All or Nothingをやめる

ダイエットをする人は、やるときは徹底してやるというタイプの人が多いのですが、いくらダイエットのためとはいえ、大好きなスイーツをいきなりゼロにしてしまうと、脳内にストレスホルモン、コルチゾールが大量に分泌されて、かえって瘦せにくい体に……。

「だから、もしこれまでチョコレートを1日1枚食べていたとしたなら、半分、3分の1、最後は1日1粒というように徐々に減らしていくのが賢いやり方です。そのほうがストレスを溜めずに、楽しくダイエットを続けられます。一度開けてしまったが最後、なくなるまで全部食べてしまうというタイプの人は、個包装のスイーツなどを選ぶようにするのがオススメです」(小高先生)

■極意4

別腹はある! デザートは楽しくいただこう

食事の最後に出てきたデザートを見て「おいしそう!」と思うと、結果的に脳内にオレキシンというホルモンが分泌され、消化器官が活発に。するとそれまでに食べたものが小腸に流れ、胃が空きます。おなかいっぱい食べたはずなのに、「デザートは別腹」とばかりに食べられるのは、オレキシンの分泌によって胃にスペースができるためです。

ここで大切なのは、せっかくデザートを食べるのならば、罪悪感を持たないこと。罪悪感を持つとストレスが溜まって血液循環が悪くなり、燃焼されるものも燃焼されなくなります。逆に「楽しい」と思って食べれば、血液の循環がよくなり、代謝もアップ。同じものを食べても、蓄積しにくくなります。

■極意5

自分を追い詰めない

人間は誰だって、強さと弱さを併せ持っているし、頑張れる時期と頑張れない時期があります。だから、むやみに自分を追い詰めないこと。生理前など、いまいち調子が上がらないときは、「今はちょっとダイエットに不向きな時期だな」と俯瞰して自らを観察し、自分のペースで取り組みやすいダイエット法を探ってみるといいでしょう。

■極意6

その日のストレスは、その日のうちに解消

ただでさえストレスが溜まりやすいダイエット中は、いつも以上にストレスコントロールが大切です。毎日、仕事や人間関係などで何かしらストレスは溜まるので、問題が小さいその日のうちに解消して、翌日に持ち越さないようにしましょう。

「嗅覚は脳にダイレクトに影響するので、アロマテラピーやお香は気分転換におすすめです。また、湯船にゆっくり浸かることはリラックス効果抜群。自分を内省できる環境が整います」(小高先生)

■極意7

4つの心理領域のどこにいるかを知る

下記は、人間が持つ4つの心理領域をあらわしたものです。

ハイポジティブ:一番意欲的なとき
ローポジティブ:気持ちが落ち着いてリラックスしているとき
ハイネガティブ:エネルギーレベルは高いがイライラしている
ローネガティブ:やる気がない、無気力

一番ダイエットに適しているのは、ハイポジティブなとき。自分は「1カ月のうちのどのタイミングで」+「1日のどの時間帯に」ハイポジティブになるのかを観察してみると、ダイエットに最適な時期、時間帯を見つけることができます。自分のバイオリズムを知ることは、ダイエット成功の秘訣です。

■極意8

幸せを感じながらダイエットをする

「ダイエット=苦しみながら頑張るもの」と思い込んでいませんか? でも、ダイエット成功の秘訣は、実は「幸福感」にあります。

「幸せな気持ちになると、自律神経が安定し、血流がよくなり代謝が上がるので、ダイエットが成功しやすくなるんです。そして、なんと幸せの40%は『意図的な行動』によってつくられます。つまり、自分次第で幸せを感じることはできるということ。日々、小さなことでも楽しもうと意識することが幸せを感じるコツです」(小高先生)

■極意9

メンタルに効く食事をとる

日々食べるものは、体だけでなく、メンタルにも作用します。下図を参考に、メンタルの状況に応じて食材を変えるのもダイエット成功の鍵です。

効能
栄養素
おすすめ食材
こんなときに

1.活力UP
タンパク質
マグロ赤身、ささみ、卵、大豆、納豆、チーズ
思考力低下、集中力低下、疲労感、脱力感が強い、うつ状態、活力がわかない

2.精神的安定
亜鉛
レバー、うなぎ、ししゃも、玄米、アーモンド
感情のアップダウンがひどい、食への興味がわかない、髪や肌荒れが気になる、記憶力の低下、生理周期が乱れがち

3.疲労解消
ビタミンB群
豚肉、かつお、レバー、納豆、にんにく、玄米
疲れがなかなかとれない、寝ているはずなのにだるい、ストレスが溜まっている、情緒不安定

4.イライラ防止
カルシウム
チーズ、ヨーグルト、干しえび、木綿豆腐、牛乳
イライラしやすい、寝つきが悪い、不安感が強い、心がざわざわする、興奮しやすい

5.ストレス防止
ビタミンC
トマト、レモン、いちご、緑茶、ブロッコリー
傷つきやすく、落ち込みやすい、シミ・シワが気になる、風邪を引きやすい、寒暖差についていけない、タバコに依存している

6.神経の沈静
マグネシウム
乾燥わかめ、ひじき、するめ、アーモンド、大豆
イライラしやすい、うつ状態になることが多い、集中力の低下、こむらがえりが多い、まぶたがぴくぴくしたり、こめかみが痛くなることがある

■極意10

99のいいことに目を向ける

1カ月頑張ることができても、たった半日か1日、お菓子を食べながらダラッと過ごしただけで、人は自分のことをダメ人間だと思ってしまいがちです。そこからなし崩し的に、ダイエット落伍者となってしまった経験がある人も多いのではないでしょうか?

「人間はネガティブな出来事に引っ張られやすい生き物。99のいいことがあっても、たった1つのダメなことをクローズアップしてしまう性質があるんです。でも、半日や1日怠けたって、1カ月頑張れた人ならすぐに元に戻れます。2~3日かけてゆっくりと、怠けた分を取り返せばいいだけのこと。ぜひ、1カ月間頑張れたという99のポジティブなほうに目を向ける習慣を身につけてくださいね」(小高先生)

まとめ:たった1回の食べ過ぎでダイエットを諦めないで!

ダイエット中はコルチゾールの分泌量が増えて、食欲がアップしやすくなります。コルチゾールの分泌を防ぐには、モノの見方や考え方を変えて、ストレスを軽減することがポイントに。ときには、食べ過ぎたって大丈夫です。「もうダメ」とならずに、頑張ってきた過去の99に注目すれば必ず乗り越えられます。

苦しむダイエットなんて、もう古い! これからは楽しみながら、自分を幸福感で満たして、ダイエットに取り組んだ人の勝ちです。

[記事提供:HOWZAP 【ハウザップ】 ライザップが運営するボディメイク情報マガジン (http://how.rizap.jp/)]

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

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