2020年3月13日
Jタウンネット
ご飯のお供、納豆。
これさえあればお茶碗何杯でもコメを食べられる…という人もいるだろう。スーパーには複数の種類の納豆が並んでいて、自分の好みやその日の気分に合わせて選ぶこともできる。
では、その中で最も人気な「納豆の粒の大きさ」はどれなのだろう。
Jタウンネットでは19年10月1日~20年3月11日の期間、「納豆の粒の大きさ、どれが一番好き?」をテーマにアンケートを実施。日本で一番人気がある粒の大きさを調査した。
投票総数は2023票。最も好まれる粒のサイズは、はたして――
全国的に人気なのは「小粒」
全国の結果を見てみると、小粒が一番人気。全体の40.8%に当たる826人が小粒派だ。残る中粒派(20.9%、422人)、大粒派(20.3%、410人)、ひきわり派(18.0%、365人)の数にはあまり大きな差がなかった。
では、地域によって結果に差はあるのだろうか。各都道府県を、最も人気があった粒の大きさで色分けした地図がこちら。
全体の約40%占めるとあって、小粒派が優勢な都道府県が最も多い。36都道府県で小粒が一番人気だ(うち、山形はひきわりと、島根・広島・愛媛は中粒と同率)。
なぜ小粒が好まれるのか、Jタウンネット編集部は全国の納豆生産事業者で組織された全国納豆共同組合連合会(以下、納豆連)の広報担当者に聞いた。
担当者によると、現在販売されている納豆の約80%が小粒(極小粒含む)。中粒・大粒は合わせて10%程度で、ひきわりは7%ほどだという。
しかし、小粒の納豆が全国で食べられるようになったのは、鉄道が整備された明治以降だと考えられるそうだ。当時多くの地域では中粒サイズの納豆が食べられていたが、水戸で作られた小粒の納豆がおいしいということが伝わり、広まっていったという。
小粒が好まれる理由は、
「オン・ザ・ライスで食べやすいから」(担当者)
特にパサパサした食感のアワやヒエ、玄米を食べるときに納豆と合わせることで食べやすくしていたそう。粘り気のある白米が広く食べられるようになってからも、その名残が残っているようだ。
なぜ東北人はひきわりが好き?
全体のシェアの7%ほどのひきわり納豆は、東北地方で特に好まれている。
Jタウンネットの調査では、青森、秋田、岩手、山形の4県でひきわりが1位(山形では小粒、岩手では中粒・大粒と同率)。青森と秋田では、ほぼ半数がひきわり派だった。
東北6県の全体の割合を見てみても、全国平均と比べてひきわり派が多めなことがわかる。
ひきわり派が小粒派と同率で1位。なぜ東北ではひきわり派が多いのだろうか。
納豆連の広報担当者によると、東北ではもともとひきわり納豆が食べられていた。大豆を乾燥させて保存する過程で割れてしまったものを、納豆にして食べていたのだそう。その食習慣が今でも続いており、ひきわりが好まれていると考えられるという。
豆腐など他の加工食品にしづらいが、納豆にすれば食べられるという「もったいない精神」の結果ではないか、と担当者は話した。
ちなみに、15年ほど前までひきわり納豆が食べられていたのはほとんど東北のみだったそう。シェアも現在より少ない1~2%ほどだった。
シェアが増えた理由としては、「高齢化があるかもしれない」と担当者。
ひきわり納豆はあまり咀しゃくしなくても食べられるため、高齢者にとって食べやすいそうだ。